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大谷翔平の登板回避はむしろ朗報だ。
メジャーならではの早めの疲労対策。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/05/27 07:00

大谷翔平の登板回避はむしろ朗報だ。メジャーならではの早めの疲労対策。<Number Web> photograph by AFLO

大谷翔平の二刀流にとって、最大の敵は疲労である。ぜひともベストコンディションを維持できるペースを模索しているところだろう。

「特に何も悪くないし、球数が多かったから」

 過去のコラムでも書いた通り、5月はエンゼルスと大谷にとって休養日が激減し、今季初の東海岸遠征のあるハードスケジュールなのだ。

 大谷は「投打」両面でエンゼルスにとって非常に多くの恩恵をもたらしているし、シーズンの早い時期に「疲労」という「目に見えないマイナス要素」への不安を「登板回避」で軽減することは大事なことではないか。

 共同通信社が伝えるところによると、大谷自身は「登板回避」が決まってからの会見でこう話している。

「(身体は)特に何も悪くないし、(前回の登板で)球数が多かったからだと思っているので、今まで通りブルペンで投げて次の登板にしっかり合わせたいなと思っている。

<中略>

 もちろんチームの方針だし、そこに投げる、投げないという僕の判断は特にない。(打者としての出場も)僕が決めることではない。いけと言われたときに、しっかり結果を出せる準備をしたい」

実は打撃成績が下降傾向?

 本人が否定している限り、それを「疲労」のせいにはできないが、たとえばBaseball References.comにこんな数字が出ている。

4月まで  12試合47打席で打率.341、出塁率.383、長打率.682、4本塁打、12三振
5月以降  14試合52打席で打率.277、出塁率.346、長打率.489、2本塁打、12三振
過去2週間  7試合29打席で打率.192、出塁率.276、長打率.346,1本塁打、9三振

 5月や過去2週間の打撃成績が下降している理由は、単に対戦相手が良かっただけなのか、相手に研究されたからなのか、それとも「疲労」の予兆なのか。それは誰にも特定できないし、理由はひとつではないだろう。

 ならば、打つべき手は打って当然だ。

【次ページ】 中心選手は毎日出す、という時代ではない。

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