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浦和・橋岡大樹は足がつっても走る。
いつか兄と共演、A代表を目指して。 

text by

杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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photograph byJ.LEAGUE

posted2018/05/23 17:30

浦和・橋岡大樹は足がつっても走る。いつか兄と共演、A代表を目指して。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

プロ1年目から右サイドを疾走する橋岡大樹。好素材を輩出する浦和ユースからまた1人、期待の星が現れた。

「182cmのSBなら世界で通用するって」

 2試合続けて、スプリント回数はチーム最多。「ワイルドに行け!」という大槻暫定監督からの指示を橋岡なりに解釈し、右サイドでアップダウンを繰り返し、果敢に縦に仕掛けてクロスからチャンスをつくった。

 センターバックとして年代別代表に選出されるなど、中央のイメージは強かったものの、本人にコンバートされた意識はほとんどない。心構えはあった。

「チャンスを与えてもらったことに感謝している。ユースのときからサイドバックは練習していたんで。だから、やりづらさもない。ユース時代、大槻さんからサイドバックで僕のサイズ(182cm)なら世界でも通用すると言われていたので」

 4月22日に大槻暫定監督からオズワルド・オリヴェイラ新監督へ引き継がれた後も、右アウトサイドのポジションは譲らず。デビュー戦以降、リーグ戦9試合連続で先発出場した。

下部組織出身として目標になりたい。

 近年、浦和ユースからの生え抜きで主力となった関根貴大(現インゴルシュタット)でさえ、1年目は途中出場が多く、先発は3試合のみ。過去を振り返っても、昇格1年目で9試合以上を先発出場しているのは原口元気(現デュッセルドルフ)、山田直輝、ユース所属時の岡本拓也(現湘南)くらいである。

 Jリーグ指折りの資金力を誇る浦和には常に日本代表クラスが並び、実績ある外国人選手がずらりとそろっている。単純な比較はできないが、10代の新人が定位置をつかむのは簡単ではないのは事実。本人も自覚しており、数少ない下部組織出身者としての強い思いを持ち、「目標にしてもらえるような選手になりたい」とはっきりと口にする。

 クロスの質を含めて攻撃面ではまだ荒削りなところはあるが、自らの課題を把握している。「現状に満足はしていない。これからもっと求められることが多くなってくる。兄からも『ここからだぞ』と言われているので」と表情を引き締めている。

【次ページ】 幼い頃から兄弟で1対1の練習漬け。

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