「正直あの日については本当に何も覚えてない（笑）」

　2015年の日本ダービーの内ラチ写真、つまり今回のスペシャル表紙の写真を撮影したのが広報部広報企画課（当時）の橋本賢太さんだ。

「リモコンを押す係は、持ち回りに近く、比較的若い職員が担当することが多いですが、毎回決まった担当者がいるわけではないんです。私もあのダービーの前には前年の阪神競馬場で行われた桜花賞の撮影を担当したことがありました。ハープスターが勝ったレースですね。

　ただ、あの日は、やはりダービーなので、ほかのGIにも増して緊張しました。もし失敗して撮れなかったらどうしようということばかり考えて、レース本番はゴール板がよく見渡せるターフ前のポジションでリモコンのスイッチを握っていました。『先頭の馬が直線残り200mを過ぎたらスイッチを押し続けろ』とだけ言われていて、レース中はそのことしか頭にありませんでした。

　だから今回、私がスイッチを押した写真が表紙になったと聞いて、びっくりしたはびっくりしたんですが、正直あの日については本当に何も覚えてないんですよ（笑）」

　覚えてはいなくても確かにシャッターは押され、平成ダービーを象徴する瞬間は確かに写真に収められたのだ。

　是非、店頭で弊誌を見かけた際は、裏話も思い出しつつ手にとってみてください！