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ネイマールがパリで王様になっても、
ロナウジーニョほど愛されない理由。 

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吉田治良

吉田治良Jiro Yoshida

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photograph byGetty Images

posted2018/05/17 11:00

ネイマールがパリで王様になっても、ロナウジーニョほど愛されない理由。<Number Web> photograph by Getty Images

PSGで余裕のタイトル獲得となったネイマール。彼の頭にある未来はパリでのさらなる躍進か、それとも?

「かわいげ」こそが最強の性分では。

「夜遊びの達人」とも言われたロナウジーニョは、決して模範的なフットボーラーではなかった。摂生に努めていれば、全盛期も現役生活も、もう少し引き延ばせたという声もある。

 それでも彼が、その奇想天外なプレーでフットボールというスポーツの面白さを分かりやすく伝え、世界中の人々を笑顔にしたことだけは間違いない。

『才能も智恵も努力も業績も身持ちも忠誠も、すべてをひっくるめたところで、ただ可愛気があるという奴には叶わない』

 文芸評論家の谷沢永一さんの著書から引用させていただいた。無邪気で、心のどこかに遊び心を持っている。そんな「かわいげ」こそが、人のあらゆる側面の中で最強の性分だと氏は言う。

 もしかすると、それがロナウジーニョにあって、現在のネイマールにないものなのかもしれない。

 いつも無邪気にボールと戯れ、そしてフットボールだけでなく、人生そのものを楽しんだロナウジーニョ。「かわいげ」という天与の才能の持ち主は、だから多くの人に愛された。

 しかし、ネイマールは──。

 傲岸不遜な王様は、おそらくどこへ行こうと、人々の愛も称賛も敬意も勝ち取れない。

 だからこそ思うのだ。かつては彼にもあったはずの「かわいげ」を、がむしゃらにナンバーワンを目指す過程でクローゼットの奥にしまい込んでしまったそれを、ひとつまみでもいいから取り出せないものかと。

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