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バレーで欧州3カ国を渡り歩いた男。
古賀太一郎、海外との向き合い方。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byKiyoshi Sakamoto

posted2018/05/15 17:00

バレーで欧州3カ国を渡り歩いた男。古賀太一郎、海外との向き合い方。<Number Web> photograph by Kiyoshi Sakamoto

全日本に選ばれた古賀は、「メンタルで負けずに世界としっかり戦える集団になる手助けができればと思います」と話す。

全日本は可能性を秘めているから。

「今シーズンのポーランド、昨シーズンのフランス、欧州チャンピオンズリーグを経験して、自分としては世界と対等にできる自信はあります。

 それに今年の全日本はすごく可能性を秘めたチームです。でも自分たちが相手チームより下だと思ったら、対等な試合にはならないので、そうならないようなサポートというか、日本代表はしっかり世界と戦えるんだよというのを示したい。

 それができる選手は限られていると思う。福澤(達哉)さんや石川、柳田。自分にはそういう責任があるし、自分の発言には今シーズン裏付けもできたと思うので、コートで(世界の強豪と)対峙した時に、メンタルで負けずに世界としっかり戦える集団になる手助けができればと思います」

 古賀は以前、「『小さい=劣っている』と捉えること自体ナンセンス。小さな選手でも、海外で活躍している選手はいくらでもいる。低いから、パワーがないからと言ってもしかたがないんだから、『じゃあどうするか』というところに発想を持っていかないと」と語っていた。

世界を知るから、アイデアがあふれ出る。

 それはチームにも置き換えられる。今シーズン、組織立ったバレーをするポーランドでプレーして、「日本も同じようなシステムでやろうとしていたけど、これは大きい選手だから成り立つんだと気づいた」と言う。

「今年の全日本はサイズが小さいから、特にブロックシステムは、世界と同じことをやっていても差は縮まらない。独自の方法を探していかないと。例えば、相手のオポジットが後衛の時は、セッターは(相手の)ライト側でブロックに跳ぶとか、複数枚ブロックの時は端のブロッカーが一番高い方が後ろの選手が守りやすいから、ミドルブロッカーを端に置くとか……。単に自分の案ですが、監督と話してみようかと思います。日本は受け身になるんじゃなく、いろんな可能性を探って、何かやらなきゃいけないですから」

 世界を知っているからこそ、アイデアがあふれ出てくる。

 日本が世界トップとの差を縮めるのは簡単なことではない。

 しかし古賀の話を聞いていると、日本男子バレーの未来にも希望が湧いてくる。

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