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日本ハムが悩むファンサービスの形。
選手も感情を持つ1人の人間である。

posted2018/04/27 08:00

 
日本ハムが悩むファンサービスの形。選手も感情を持つ1人の人間である。<Number Web> photograph by Kyodo News

ドラフト1位で入団した清宮幸太郎。自主トレから多くのファンが鎌ヶ谷球場へ詰めかけた。

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高山通史

高山通史Michifumi Takayama

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Kyodo News

 2018年、みんなで苦悩している案件がある。

 北海道日本ハムファイターズが誕生して15年目の節目を、今シーズン迎えている。選手も、球団職員も全員で共有している揺るがない理念がある。

“Fan Service 1st(ファンサービス・ファースト)”

 ファンの方々を、第一に考える。そのマインドに則って、選手たちはプレーをする。職員たちは業務にあたる。ファンの方々への敬意と感謝を胸に刻み、日々を過ごしている。ルーキーに対しては入団時の講義などで徹底的に、その意義をレクチャーする。在籍中の選手に対しては、その精神が少しでも揺らいだような言動が見受けられた場合には、注意喚起をする。

 具体例を挙げれば全力疾走を怠ったりすることが、それに該当する。ファンの方々に失礼にあたる、との概念からである。また状況に応じて可能な限り、リクエストに応じようとも呼び掛けてある。サインをする、握手をする、また記念撮影をする……など適宜、ニーズに応えようという方針は、全員一致で共有されている。

今年、鎌スタで頻発したトラブルについて。

 年明けから、残念な事態が発生した。

 新人合同自主トレーニングを行っているファーム施設の「ファイターズ鎌ケ谷スタジアム」(通称:鎌スタ)で、トラブルが頻発した。

 ありがたいことに例年以上に、多くの方々に日参いただいた。ファンの方々と選手との距離が近いことが、鎌スタの特長である。

 選手を、また練習シーンを間近で見たいというファンの方々に足を運んでもらっている。

 北海道から、わざわざ訪れる人も多いと聞く。感謝の思いしかないのが、球団職員の本音。選手たちも、同じである。

 今年の新人合同自主トレは例年以上に、活況だった。

 大半の方々には温かい声援をいただき、選手たちも触れ合いを楽しみ、日々の活力にしていた。ただごく一部の来場した方々との間では、残念なトラブルが起きた。

【次ページ】 活字にしたくない、できないような強烈な言葉が。

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清宮幸太郎
北海道日本ハムファイターズ

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