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西野監督へ「リベロ長谷部」の提言。
実は名古屋時代は堅守速攻だった。 

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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posted2018/04/13 17:30

西野監督へ「リベロ長谷部」の提言。実は名古屋時代は堅守速攻だった。<Number Web> photograph by Getty Images

戦術眼と対応力が問われるリベロで、長谷部誠は新境地を開拓した。日本代表でもその力は生かせると思うのだが……。

西野監督と「速い攻撃」の意外な関係。

 しかし、「僕は、結構柔軟に戦い方を変える監督というイメージですね」と話す選手がいる。

 かつて、名古屋グランパス時代に西野監督から指導を受けた、現FC東京のFW永井謙佑。西野監督の就任会見翌日、彼に当時の印象を語ってもらった。

「きっと、みんなガンバの時のイメージが強いと思うんです。パスを繋いで、ポゼッションサッカー主体で攻めるというスタイルですよね。ただ、名古屋では守備ブロックを作って、そこからショートカウンターを狙う戦い方をしていました。僕やケンゴ(川又堅碁、現ジュビロ磐田FW)が前に入って、速い攻撃を意識していましたね」

 古くは1996年のアトランタ五輪で、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こしたことでも知られている。当時のチームはアジア予選までは前園真聖や城彰二、中田英寿らを中心に攻撃的なスタイルで戦い抜いたが、五輪本戦では相手との力量差を考え、守備的なスタイルに変化させていた。

フォーメーションは3バックの可能性も?

 フォーメーションについては、ガンバ全盛期の4-4-2システムで相手を圧倒するサッカーのインパクトが強いため、4バックが基本戦術とも見られがちだ。ただ、アトランタ五輪代表や2005年にJ1優勝を果たした当時のガンバでは、3バックを採用している。

 過去を振り返れば、任されたチームの環境や条件に応じて、柔軟にサッカースタイルを変容させていることがわかる。

 ロシアW杯まで時間がない中、閉塞感のある代表チームを変えなければならない。メンタル面に関しては、新たな指揮官と体制で戦うことで、自ずと新鮮な空気が流れ、選手も気分は刷新されるだろう。

 一方、ピッチ内ではより具体的なアプローチが必要である。西野監督が会見で話した内容は、まだ具体性に欠けた文言でもあった。

 ゼロからチーム作りをする時間もない。大幅に戦術のベクトルを切り替えることも現実的ではない。今ある特長と戦力をベースにせざるを得ない、時間的状況。そんな中、それほど大きな変化を伴わないまでも、選手個々もチームも相乗効果で好転する策がある。

 長谷部誠のリベロ起用、である。

【次ページ】 リベロ長谷部のバランス感覚は出色。

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