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大谷翔平、3戦連発のゴジラ超え!
本人納得の“スプラッシュ・ショット”。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byGetty Images

posted2018/04/07 19:00

大谷翔平、3戦連発のゴジラ超え!本人納得の“スプラッシュ・ショット”。<Number Web> photograph by Getty Images

ESPNやFOXスポーツ、USAトゥデイなど全米の主要メディアがこぞって今日のハイライトとして大谷を取り上げ、今や全米のスターに!

3本目で、ついに自身納得の本塁打に。

「今日はすごく良かったと思いますね」

 大谷が振り返る。

「芯でも捉えられていましたし、しっかり自分のスイング、形でできたんじゃないかなと思います」

 3本目にしてようやく飛び出た「納得の一発」だった。だからボールは飛んだ。

 センター後方スタンドには球場名物の石の山「ロックパイル」がそびえ立っている。

 4日のクリーブランド・インディアンス戦で“サイ・ヤング賞”投手のコーリー・クルーバー投手から放った一撃も、この「ロックパイル」に飛び込んだが、落下地点はフェンスを越えてすぐの麓だった。

 だが、この日の一撃は頂上から中腹に流れ落ちてくる滝の中に飛び込み水しぶきが上がる“スプラッシュ・ショット”となった。

 飛距離136.9m。打球速度時速180.9kmは3本の本塁打の中でいずれも一番の当たりだった。

チームの主砲さえ驚く大谷の「絶対飛距離」。

 大谷という打者の持っている最大の特長は、絶対飛距離が違うということだ。

 普通の打者より5メートルから、下手をしたらそれ以上、持っている飛距離が違う。

 そのずば抜けた飛ばす能力は、メジャーの世界でもトップレベル。フリー打撃だけを比較すれば、主砲のマイク・トラウト外野手や四番を打つアルバート・プホルス内野手よりも飛ぶ。特にセンターから逆方向への打球の伸びには、この2人も驚嘆するものがあるのは、キャンプから見せつけていた。

 この日も打撃練習では低いライナーでスタンドに2本叩き込んでおり、一緒に打っていたコール・カルフーン内野手らを驚かせてもいた。

 その絶対飛距離で放ったのが本拠地デビュー戦から2試合連発となった1号と2号だった。

 いずれも本人が「入ってくれて良かった」と試合後に語ったように、芯で捉えた会心のあたりではなかった。

 完璧に捉えられずに、普通の選手だったらセンターフライとなるような打球なのだ。

 だが、大谷は5メートル以上、距離が違う。その絶対飛距離の違いの分だけ打球が遠くに飛んで、スタンドまで届いてしまう。

 だが、この試合の3号は本人も納得する文句なしの一撃だった。

【次ページ】 「ホームランを狙って打つという感覚はない」

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