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五郎丸が語るフィジカルの重要性。
強く、しなやかな肉体を求めて。 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/04/09 11:00

五郎丸が語るフィジカルの重要性。強く、しなやかな肉体を求めて。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

上半身と下半身をうまく連動させるために。

 ラグビーに関しても、自分にフォーカスすることが可能な環境だった。

「トレーニングでも『個』が重要でした。チーム全体のベーシックなことはあるにはありますが、基本的に100人いれば100通りのトレーニング方法がある。それが認められている社会、というかそれが当たり前なので、『これをやりなさい』ということはないんです。トゥーロンでは自分がどんな選手になりたいか、どんな体が必要なのかを考える必要があったし、自分をコントロールする面白さがありました。フランスで生活し、プレーしていなかったら、こうした感覚は持てなかったでしょう」

 渡されるメニューをこなすだけ、ということはフランスではあり得なかったのである。自分でデザインし、実際にトレーニングして追い込んでいくことが、五郎丸には新鮮な感覚だった。

 フィジカルに関しては、2015年のラグビーW杯に向けて、五郎丸がこだわってきた部分だ。

「ヘッドコーチのエディ・ジョーンズさんは、『フィジカルが備わってなければ世界とは戦えない』とずっと言い続けていました。言い訳は許されなかったんです。早朝に起きてウェイトトレーニングに取り組む『ヘッドスタート』に始まって、とにかく選手みんながフィジカルに自信を持ったからこそ、南アフリカ戦で勝って、世界にインパクトを与えることが出来たと思います」

 しかし、W杯が終着駅というわけではなかった。フランスでこの重要性を学び、そして日本のヤマハ発動機ジュビロに戻ってきて1シーズンをプレーし、より高い次元でのフィジカルを目指すようになった。

「この年齢になって、体の『連動』について考えるようになりました。上半身と下半身をうまく連動させるためには、どんなことが必要なのか。筋肉を大きくすると、柔軟性が失われかねないけれど、その矛盾を克服したい。日本人ならば、考えながらフィジカルを強く、しなやかにしていけると思うんですよ」

 いま、オフに入った五郎丸はシーズンで痛んだ箇所をいたわりながら、さらなるフィジカルの向上を目指し、トレーニングに励んでいる。

 2018年のラグビーシーズンも、進化した五郎丸を見るのが楽しみだ。

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