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ウッズ、ミケルソンとマスターズで。
松山英樹「同組だったら、ヤバイ」

posted2018/04/04 07:00

 
ウッズ、ミケルソンとマスターズで。松山英樹「同組だったら、ヤバイ」<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

マスターズに戻ってくるタイガー・ウッズ。松山英樹もそのプレーぶりに注目している。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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 あらゆる世代の人々が、同じフィールドで一緒に真剣勝負を楽しむことができる。ゴルフというスポーツの魅力のひとつがそれだと思う。

 プレーするゴルフがそうであるように、観るゴルフもきっと同じ。老いも若きも、直径わずか4.2cmあまりのボールを必死に操り、ドラマが生まれる。舞台が世界最高の場所であれば、後世にも語り継がれるものになる。幅広い年齢層にスーパースターが演者として用意されていれば尚更だ。

 5日に開幕する2018年マスターズは、そんな魅力に満ちている。

 ここ数年、男子ゴルフの世界は多くの若きスターに牽引されてきた。

 33歳のダスティン・ジョンソンをトップに据える世界ランキングは現在、トップ10のうち7人を20代が占める。同い年のジャスティン・トーマスとジョーダン・スピースはすでにメジャータイトルを持つ新世代の急先鋒で、スペインの新鋭ジョン・ラーム、そして日本の松山英樹は、いつ彼らに続いてもおかしくないと目されている。

 昨年11月に30歳になったばかりのジェイソン・デイ、そしてロリー・マキロイ。かつて世界ランク1位だったふたりはそれぞれ、年明けに2季ぶりのツアー優勝を挙げた。一方で昨年のマスターズは30代後半の中堅世代、セルヒオ・ガルシア、ジャスティン・ローズが優勝争いを演じたことも忘れてはならない。

ミケルソンとウッズが再び主役に。

 そうは言っても、前述した“ここ数年”の傾向は、“彼らの不在”に引き立てられたものだったようでもある。フィル・ミケルソン、そしてタイガー・ウッズ。すでにレジェンドの域に達したふたりが、年明けから再びツアーの主役に返り咲きつつある。

 ミケルソンは3月はじめ、WGCメキシコ選手権で5年ぶりにツアー優勝を遂げた。今もっとも勢いのあるトーマスをプレーオフで破り、世界選手権シリーズの最年長優勝記録(47歳8カ月)まで樹立した。

 前回優勝したのは2013年の全英オープン。勝利から遠ざかった期間に長年連れ添ったキャディも、コーチも替えた。試行錯誤が年明けに結果として実り、復活優勝する直前の3試合はすべて6位以内。「きっともうすぐ勝てるはずだ」という言葉を現実にした。

【次ページ】 優勝オッズで一番人気になるほどの期待。

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