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鹿島・三竿健斗の指標であり続ける
土肥洋一からのロシアW杯への金言。 

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池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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photograph byJ.LEAGUE

posted2018/04/05 11:00

鹿島・三竿健斗の指標であり続ける土肥洋一からのロシアW杯への金言。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

フィジカルとテクニックを兼備する三竿健斗はハリルホジッチ監督の好みのタイプでもあるはず。運命の発表まであと2カ月だ。

プロ1年目の選手に、異例のオファー。

 成長の証は、結果にも現れた。高校2年のときにU-17W杯に出場し、ベスト16入りに貢献。高校3年の4月にトップチームの2種登録選手として名を連ね、10月にはトップチーム昇格内定が発表された。

 トップ昇格1年目の2015年、J2リーグ42試合中39試合に出場した。すると2016年、国内3大タイトル最多獲得を誇る鹿島からオファーを受けた。アントラーズがプロ1年目で活躍したばかりの選手へオファーを出すのは、過去にないめずらしい決断だった。

「今年獲らなければ、来年確実に獲ろうとするクラブが出てくる選手。少し早いタイミングではあるけれど、他に獲られる前に獲得しようと決めた」(鈴木満常務取締役強化部長)。

鹿島でスタメンを取れば代表に。

 三竿自身にとって、加入1年目は苦しいシーズンとなった。リーグ戦出場数はわずか4試合。同じポジションのライバルには小笠原満男、柴崎岳、永木亮太といった日本代表クラスが名を連ねた。

 しかし、いつも日常で見せる柔らかい笑顔は、1年を通して変わらなかった。

「試合には出られなかったけど、日々の練習で成長している実感があった。結果は出せなかったけど、すごくポジティブに捉えられる年だった」

 端から見れば、苦労した1年に映る。それでも、そう言い切るほど充実した日々だった。「ここでスタメンを勝ち取れば、自ずと代表につながっていく」

 代表クラスの選手たちと日々練習することで、レベルアップしている確信があったからだ。

 鹿島加入2年目となった2017シーズン、転機が訪れた。

 AFCチャンピオンズリーグ敗退を受けて石井正忠監督(現・大宮アルディージャ監督)が解任となり、大岩剛監督体制となった。直後のJ1第14節サンフレッチェ広島戦でスタメンフル出場。そこから出場停止を除くリーグ戦すべてでフル出場を続けた。

【次ページ】 自分が主力のチームはタイトルが獲れない。

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