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<スーパーGTフル参戦を語る>
ジェンソン・バトン「日本にはワクワクできるレースがある」

posted2018/03/30 11:30

 
<スーパーGTフル参戦を語る>ジェンソン・バトン「日本にはワクワクできるレースがある」<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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Tadashi Shirasawa

2009年のF1王者、ジェンソン・バトンが今年、スーパーGTにホンダNSX-GTを駆ってフル参戦する。F1復帰ではなく日本のGTレースを選んだ理由は何だったのか。

 スーパーGTが、熱い注目を集めている。英国人ドライバー、ジェンソン・バトンがフル参戦を発表したからだ。F1で頂点を極め、第一線を退いたはずの男は何を求めて日本を主戦場に選んだのか。

「最初の要因は『リアルな(本物の)』レースだったことだね。まずスーパーGTは競技のレベルがすごく高い。ドライバーに関して言えば、チームメイトのヤマモトさん(山本尚貴)は優秀だし、他のチームにも世界トップレベルの人材が揃っている。

 しかもホンダ、トヨタ、日産などメジャーなコンストラクターが3チームも参戦していて、タイヤメーカーもブリヂストン、ミシュラン、ヨコハマ、ダンロップなど主要4社が関わっている。こんなに激しい開発競争が行われているレースは、世界的にも類がない。スーパーGTは、日本が誇る本当にスペシャルなレースなんだ」

F1に乗っている感覚にかなり近い。

 とはいえバトンは元F1王者である。そのテクニックと経験をもってすれば、スーパーGTに対応するのは、決して難しい話ではないはずだ。事実、下馬評では押しも押されもせぬ優勝候補に挙がっている。

「たしかにF1に比べれば、鈴鹿のラップタイムでも15秒くらいの差がある。でもそれは単純に車重が違うからさ。マシンのポテンシャルは相当高いし、F1に乗っている感覚にかなり近い。スーパーGTを操るのは、決して楽じゃないんだ。おまけにスーパーGTには、独自の難しさもたくさんある。レースではGT300クラスのマシンを抜く形になるし、給油やタイヤ交換、ドライバー交代といった要素も絡んでくる。

 そもそも僕は、日本のサーキットも知らないわけだろう? 一口にレースと言っても何から何まで違うし、順応するのは大変なんだよ。でも、だからこそやりがいがあるし、楽しい。僕は新しいことにチャレンジするのが好きだし、その点でもスーパーGTは魅力的だったんだ」

 それにしても、F1の世界で絶大な富と名声も手にし、レース以外の人生を愉しむ術も十二分に知っているはずの彼が、なぜ新しい挑戦にレースを選んだのか。

【次ページ】 ベーシックさこそ、かけがえのない魅力。

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