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柴崎岳、独占ロングインタビュー。
「スペインで磨いたものを代表で」 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byDaisuke Nakashima

posted2018/03/19 08:00

柴崎岳、独占ロングインタビュー。「スペインで磨いたものを代表で」<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

アギーレ前監督の頃から次代のプレーメーカーとして期待された柴崎。スペインで花開きつつある力を見せてほしい。

昇格プレーオフ決勝、涙の主将に……。

 回復した柴崎はチームの中心となり、昇格プレーオフに導く活躍を見せる。しかし決勝でヘタフェに敗れ、昇格はかなわなかった。試合後、ベンチの片隅で主将のスソが静かに泣いていた。柴崎は彼が立ち上がるまで、最後まで付き添った。

 彼らと戦った半年間を思い出していた。

 そのヘタフェのスタジアムで、柴崎は毎試合ホームゲームを戦う。昨夏、オファーのあったヘタフェへの移籍を決断し、夢だった1部デビューが叶った。

 8月にはもうひとつの知らせが届いた。約2年ぶりとなる日本代表招集だ。

「ポジションもインサイドハーフでしたし、久々でしたがスムーズに溶け込めました。現代表はまずは守備を求められるから、インサイドハーフのポジションでボールを奪って攻撃に繋げることを掲げています。そこからパスなどの自分の持ち味を出すことを意識して。スペインに来たことで、余裕を持ってプレーできるようになった感覚もあった。リーグのレベルもあるし、ヘタフェでは激しさも求められているので」

ヘタフェと代表は堅守速攻で共通する。

 ヘタフェは堅守速攻のスタイルだ。しっかりと守り、攻撃は手数をかけずに縦へ。現日本代表に通じる点もある。

「守備で求められる部分はほぼ一緒です。ハードワーク、強度を求めるところは同じだから、似てるといえば似てる。ただ、異なる部分も明確にあります。ボール奪取後、ヘタフェはあまり前線を見ずに横パスで広げようとして、難しければ縦に大きく蹴る。日本代表はボールを奪えば前にしっかりとつける感覚がある。

 僕が考えているのは、ボールを取った瞬間が相手のバランスが一番崩れている、ということ。その瞬間が相手が一番整ってない状態だからこそ前線にチャンスがある。ハリルホジッチ監督はワンタッチでの攻撃も、時間をかけずにテンポよくつなぐ攻めも求めています。今はスペインで磨いたものをどれだけ代表に落とし込んで、代表を活性化できるかという部分を一番に考えています」

【次ページ】 バルサ相手の得点、直後に全治2カ月。

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