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<日本女子テニス強化プロジェクト鼎談・前篇>
12~14歳の3年間でやるべきこととは?

posted2018/03/29 16:00

 
<日本女子テニス強化プロジェクト鼎談・前篇>12~14歳の3年間でやるべきこととは?<Number Web> photograph by TOP ATHLETE GROUP

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宮田文久

宮田文久Fumihisa Miyata

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TOP ATHLETE GROUP

 この1年、日本テニス界に密かな、しかし大きな衝撃をもたらした育成プログラムをご存じだろうか。その名は、「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」。12歳から14歳までの女子ジュニア選手、計6名に対し、毎年4カ月程度の海外遠征をフルサポートする――発表当初はあまりの斬新さと太っ腹具合に、驚きの声も上がった。

 2017年春にプロジェクトが産声を上げてからちょうど1年。今回、その中心メンバーによる鼎談が行なわれた。株式会社富士薬品代表取締役社長・高柳昌幸と、プロジェクトの“現場”を担うジュニア育成のベテランコーチである、一般社団法人トップアスリートグループ代表理事・長谷川光ならびに常務理事の上田憲太郎。

 3人によるトークの前篇では、「なぜ、いまのテニス界でこのプログラムが必要だったのか」が熱く語られた。

高柳「これまでサッカーではJリーグ・大宮アルディージャを、ゴルフやテニスでは個人選手たちをスポンサードしたりサポートしたりしてきました。私自身テニスは大好きですし、次の展開として大会のスポンサードも少し考えていたのですが、より選手の将来の役に立つ形はないだろうか、と模索していたんですね。

 これまでの経験から選手が一番必要としていると感じたのは、まだまだこれから伸び盛り、しかし資金が厳しい、という時期のサポートだということでした。そんな折に出会ったのが、一般社団法人トップアスリートグループさんだったのです。考えていることがピッタリとマッチングして、プロジェクトがスタートしました」

長谷川「私たちがグループを設立したのが2016年6月。その年の4月に動き始め、高柳社長と出会った7月は発足したばかりという段階でしたが、そこからは一気呵成でしたね。そもそもグループ設立の目的が、全国のクラブ、そしてコーチと連携したトップレベルの選手の育成なんです。世界で勝負するために、世界基準の環境をみんなで手を組んで整備しませんか、ということで同志を募ったんですね。

 それまでテニスの育成コーチをずっと続け、テニス界を見てきたなかで、一つのクラブだけでの指導に限界を感じていたんです。いろいろな選手を抱えながら、一方で世界トップを目指す選手を最後まで面倒を見るということが、クラブ単位では難しかった。しかしクラブ同士はライバルなので、なかなか手を組むこともない、という状況でした」

【次ページ】 女子ジュニア選手が海外遠征する意義。

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