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皆川夏穂と新体操42年ぶりの快挙。
「美しさ、優雅さ」の先にメダルが。

posted2018/03/12 16:30

 
皆川夏穂と新体操42年ぶりの快挙。「美しさ、優雅さ」の先にメダルが。<Number Web> photograph by Satoko Imazu

厳しいトレーニングに打ち込むとともに、美しさを磨く皆川夏穂。その笑顔で、世界と戦う。

text by

石井宏美(Number編集部)

石井宏美(Number編集部)Hiromi Ishii

PROFILE

photograph by

Satoko Imazu

今夏の新体操世界選手権の種目別フープで
42年ぶりとなるメダルを獲得した日本のエース。
15歳から留学する本場ロシアでの経験が、
世界トップとの差を少しずつ埋めている。
Number940号(2017年11月22日発売)の記事より全文公開します!

「世界選手権の種目別決勝に残れたのは今回が初めてだったので思い切れたというか、『(決勝では)自由にやろう、ただ自分の演技をするだけ』と平常心で演技に臨むことができました」

 今年8~9月、イタリアで行われた新体操の世界選手権。種目別決勝のフープで日本のエース、皆川夏穂は17.700点で銅メダルを獲得した。日本勢では1975年大会のフープで金メダルに輝いた平口美鶴以来、42年ぶりとなる快挙だ。

 さらに2日後の個人総合決勝では、フープ、ボール、クラブ、リボンの4種目合計68.425点で5位に入り、1975年大会の森野容子に並ぶ日本史上最高の成績を収めた。

「(世界選手権は)シーズンの中で最も大きな試合ですし、そこでメダルを獲得できたのは、やっぱり素直にうれしかったですね。やっと世界の舞台でメダルを獲れる位置にきているんだなっていう実感も少なからずありました」

 世界選手権初出場の2013年は個人総合で予選敗退。'14年は23位、そして2年前の前回は15位と、一歩ずつメダルへと近づいてきた。とくに、ロシアやブルガリアなど、世界の強豪を相手にした中での過去最高成績は皆川にとっても、日本新体操界にとっても大きな意味があるといえる。

中学卒業後、新体操大国ロシアへ。

 日本体操協会は、'08年北京五輪、'12年ロンドン五輪の新体操で個人出場権を逃したことを受け、積極的な強化策として、'13年、特別強化選手を海外に派遣。中学を卒業したばかりの皆川は、同じイオン新体操クラブに所属する早川さくらとともに、新体操大国・ロシアへと飛び立った。

「ロシアに行けばトップの選手や先生に会えるし、いろいろと教えていただける。もともと、新体操に関して何かにチャレンジする時は、不安に感じたり心配するよりも、ワクワクするタイプなんです。なにより、オリンピックに出場したいという気持ちがとても強かったので、そのためにはもっと成長しなければいけないという危機感がありました。だから、1日でも早くロシアに行きたいという気持ちでしたね」

【次ページ】 1年のうち10カ月、練習は全部ロシア語。

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