“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高木俊幸、善朗、大輔3兄弟の宿命。
「将来は3人全員J1の舞台で……」
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/03/06 17:00
攻守ともに献身的なプレーを続ける高木善朗。3兄弟の夢は、来季にでも実現するか?
ヴェルディにはもう戻れないという覚悟。
善朗にとって今回の移籍は初めてではない。
俊幸、大輔と同様に東京Vの下部組織で育ち、トップチームに昇格した彼は、2011年6月にオランダ・エールディヴィジのFCユトレヒトへ移籍。2シーズン半プレーした後、2013年12月に清水エスパルスへ。2015年7月に東京Vに復帰したのち、今季から新潟へ完全移籍した。
古巣との2度目の別れは、相当な覚悟を要した。
「正直、ヴェルディにはもう戻れないという覚悟はあります。最初に(東京Vを)出たときは『大きくなって戻って来いよ』という出方だったのですが、今回は国内移籍で、しかも同じJ2のチームなのでそこは違いました。ヴェルディへの愛着は物凄くあります。自分を育ててくれたクラブですし……。
でも、僕は環境を変えたかった。
新潟からお話を頂いた時、沢山のお客さんが入っている中でプレーをしたかったし、当然J1でプレーしたいとも感じました。なので『新潟サポーターの中でプレーをして、J2から昇格してJ1に行きたい』という気持ちが強くなって、すぐに(移籍を)決断しました」
「『浦和から出るんだ』とびっくりしました」
奇しくも善朗が決断を下した時、兄弟2人もまた大きな決断を下していた。
「大輔は同じチームにいたし、家も近かったのでいろいろ話をしていました。あいつは『FWをやりたい』ということで移籍を決断したと思うけど、正直トシは残ると思っていた。
移籍を決めたことを聞いて、逆に『浦和から出るんだ』とびっくりしました。でも、相当考えて、相当な想いで決断したんだろうなと思いました」
言葉は交わさなくても、サッカーに懸ける思い、よりステップアップするための思いは同じだった。