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柳田悠岐「自然体で、ボールを遠くへ飛ばしたい」
~呼吸とパフォーマンスの相関関係~

posted2018/03/29 11:30

 
柳田悠岐「自然体で、ボールを遠くへ飛ばしたい」~呼吸とパフォーマンスの相関関係~<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

フルスイングを身上とする稀代のバッター。日本一奪還を成し遂げ、新シーズンから、さらなる高みを目指し、体調管理に気を配る。

 打撃の基本はセンター返し。少年野球の頃から何度も教わる大鉄則だが、近い将来、その常識が変わるかもしれない。

 海の向こうのMLBでは、昨季シーズン本塁打が急増した。過去最多だった2000年の5693本を大きく上回る6105本のアーチが飛び出したのだ。

 それを後押ししたのが「フライボール・レボリューション」と呼ばれる新理論だ。

「ゴロを打つな。フライを打て」

 1アウト三塁の状況ならば、ゴロではなく外野フライを狙う。メジャーリーガーたちは右打ちより専ら打球を外野へ飛ばす練習に励んでいるのだという。

 その“革命”を日本球界でいち早く実践したのが、昨シーズンの柳田悠岐だった。

不調を脱したきっかけは「ムネさん」。

 2015年は打率.363(首位打者)、34本塁打、99打点、32盗塁。見事、トリプルスリーを達成するとともに、ホークス日本一の原動力となった。シーズンMVPにも輝いた。

 しかし、2016年は本塁打が18本と激減した。チームも最大「11.5」ゲーム差をファイターズにひっくり返されて優勝を逃し、屈辱にまみれた。

 2017年、盛り返した。打率.310、31本塁打、99打点、14盗塁。長距離砲の基準ともいえる30発の「大台」をクリア。チームも日本一を奪回した。

 だが、決してスタートが良かったわけではなかった。開幕して30試合が終わった時点で打率2割5分前後。期待の本塁打は4発しか打てていなかった。

「春先は最悪でした。そんな僕にきっかけを与えてくれたのがムネさんでした」

 救世主はムネリンの愛称でお馴染みの川﨑宗則だった。シーズン開幕直後に日本球界に復帰し、4月下旬に一軍合流。柳田は試合前のロッカールームや遠征先の宿舎の食事会場などで質問攻めにした。

「僕は前から動画サイトでバリー・ボンズの打撃を見て参考にしたりするくらいアメリカの野球に興味があります。だから聞きたいことが山ほどあった。ムネさんのバッティングって、全部スイングが一定に見える。タイミングを外されてもバットの軌道がブレないし、空振りだって自分の形を崩されていないんです」

【次ページ】 トリプル3を達成した時以上の自信が。

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