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スマイルジャパン、平昌へ視界良し。
世界トップ10の国に4連勝、理由は?

posted2018/02/03 11:00

 
スマイルジャパン、平昌へ視界良し。世界トップ10の国に4連勝、理由は?<Number Web> photograph by AFLO

平昌五輪では数少ない球技に属するアイスホッケー。そのエキサイティングさは一見の価値がある。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 ここまでは、順調である。

 平昌五輪の女子アイスホッケーに出場するスマイルジャパンこと日本代表が、国内で行われたテストマッチ4連戦を全勝で終えた。世界ランキング9位のスマイルジャパンは同7位のドイツに6-0、3-1と連勝し、同8位のチェコも1-0、4-1で退けたのである。

 日本国内でスティックを交えたこともあり、彼我のフィジカルコンディションには違いがあっただろう。ドイツもチェコも五輪出場を逃しており、必ずしもベストの布陣で戦ってこなかったところもある。そもそもモチベーションという意味で、スマイルジャパンに及ばないところもあったはずだ。

 だからといって、4連勝に価値がないわけではない。'16年7月からチームを率いる山中武司監督は、「色々な勝ちかたができた」と話す。

「ドイツとの第1戦は完勝で、第2戦は先制されたものの途中から流れを変えて立て直すことができた。チェコとの第1戦はスコアリングに苦労しながらも1-0で勝ち切り、4-1で勝った第2戦はゲームのスタートが良かった」

 キャプテンの大澤ちほも、指揮官と同じ思いを抱く。

「今回の4試合で、試合中の色々なシチュエーションを経験できました。そのなかで勝ち切れたのは、チームにとってプラスになると思います」

五輪に出た時点で既に世界のベスト8。

 平昌五輪の女子アイスホッケーは、8カ国で争われる。男子サッカーワールドカップであれば、すでに24カ国が大会を去っている。ソチ五輪に続いて2大会連続で世界の8強入りを果たしていると考えれば、スマイルジャパンが世界のトップレベルにあることが分かるはずだ。

 もっとも、頂点を巡る争いは厳しい。8カ国をふたつのグループに分けて予選ラウンドを戦うが、世界ランク1位のアメリカ、同2位のカナダ、同3位のフィンランド、同4位のOAR(オリンピック・アスリート・フロム・ロシア)で構成されるグループAは、決勝トーナメント進出が保証されている。グループAの1位と2位は準決勝へ進み、3位と4位は準々決勝へまわる。

【次ページ】 相手はランク上位の2カ国、そして韓国北朝鮮合同チーム。

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