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どうやってロナウドを操作してる?
ジダンが真摯に語ったスター操縦法。 

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パトリック・ソウデン&フレデリック・エルメル

パトリック・ソウデン&フレデリック・エルメルPatrick Sowden et Frederic Hermel

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photograph byBenjamin Cremel/L'Equipe

posted2018/01/07 07:00

どうやってロナウドを操作してる?ジダンが真摯に語ったスター操縦法。<Number Web> photograph by Benjamin Cremel/L'Equipe

ジダンはロナウドの5度目の受賞に際して「史上最高の選手」と手放しで称賛している。

「ふたりがもし一緒にプレーをしたとしたら……」

 ロナウドはチームの主人(パトロン)であり、紛うことなき天性のリーダーだった。そして彼こそがスターであった。

 ロナウドがそのことを強く確信したがっているのを理解しているジダンは、2017年のCL決勝が行われたカーディフでの試合の後、「ふたりのどちらがより偉大なのか?」というジャーナリストの悪意のうかがえる質問に対してこう答えたのだった。

「ふたりがもし一緒にプレーをしたとしたら、ゴールを決める役目のクリスティアーノがスターだね」

方法論3.「パサーからゴールゲッターへ」

 ロナウドがチームの要であると再確認した段階で、ジダンは彼を中心に組織を機能させねばならなかった。

 ジダンが選んだのはカルロ・アンチェロッティが実践したシステムに近いもので、BBCの3人を右にベイル、左にロナウド、中央にベンゼマを置く布陣をだった。だが年齢とともにロナウドの回復力も少しずつ低下したのに加え、怪我によるベイルの長期離脱も重なりレアルは攻撃陣の再編成を迫られた。

 ジダンは2トップを採用し、ロナウドをより中央に置いて彼のゴール前の効果的な動きと得点能力を活用しようとした。

 爆発的なドリブルや相手との1対1の機会は減ったものの、ロナウドは類まれなフィニッシャーであった。

「それはパサーだった私には欠けていた能力だ」と、彼の決定力を高く評価するジダンは讃えたのだった。

【次ページ】 方法論4.「足るを知る男から飽くことなき欲求の男へ」

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