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<日本カヌー界のエース>
羽根田卓也「新しい自分を見つけるために挑戦を続けた1年」

posted2017/12/28 11:00

 
<日本カヌー界のエース>羽根田卓也「新しい自分を見つけるために挑戦を続けた1年」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

text by

福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

PROFILE

photograph by

Shiro Miyake

 2016年、カヌー男子スラローム・カナディアンシングルで、カヌー競技としてアジア人初となるメダルを獲得し、一躍注目を浴びた羽根田卓也。

 彼にとっての2017年は新しい自分を見つける、挑戦の年であった。

「2016年にメダルが獲れたことは結果としてはよかったんですけど、自分のカヌーにまだまだ納得できない部分がありました。そこを潰していかないと、3年後の大会では絶対にダメだと感じていたので、3年後を見据えて進化するために、新しい取り組みを続けた1年でした」

リスク承知でスピードを追い求めた1年。

 羽根田が感じていた納得できない部分とは、スピードだ。

 カヌースラローム・カナディアンシングルは、片方にしか水かきが付いていないシングルブレードパドルでカヌーを操り、激流に設置されたゲートをくぐりぬけ、タイムに、ゲートとの接触や不通過によるペナルティーを加味し、総合点を競う競技。175cm、70kgと海外の選手に比べ小柄な羽根田の強みはゲートすれすれを通り抜ける繊細なターンコントロールにあった。

「他の選手を圧倒できるようなトップタイムを狙うには、今までのスタイルではスピードが足りない。そこを追求したくて、座り位置を前に出したり、パドルの長さを変えたりと、いろいろなことに挑戦しました」

 座り位置を変え、パドルを長くすればスピードはアップする。しかしそれは諸刃の剣であり、スピードを重視すればするほどカヌーのコントロールは難しくなる。

「リスクをとればタイムは出るけど、失敗の可能性は高くなります。シーズンのはじめは何が何だか分からなくて、道具に振り回されてる感じでした」

 成績も振るわず、ワールドカップ前半3試合の順位は20位、18位、22位に終わった。それでも微調整をしながら続けたことでワールドカップ最終戦は9位、9月末開幕の世界選手権では7位でシーズンを終えた。

【次ページ】 「怖いのは、現状に甘んじてしまうことなんです」

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