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浦和がCWCで得た不完全な達成感。
もし、レアルと戦っていたら……。 

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轡田哲朗

轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada

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posted2017/12/14 17:30

浦和がCWCで得た不完全な達成感。もし、レアルと戦っていたら……。<Number Web> photograph by Getty Images

2017年を勝利で終えた浦和。世界での戦いをどのように生かすか、2018年の戦いはすでに始まっているのだ。

4-3で勝つチームから、ロースコアへの転換。

 だからこそ興梠は、この5位決定戦の勝利に関して「良い崩しも良い形の得点もあって、やっていて楽しいゲームだったなと。サイドは結構空いていたし、そこを起点にゲームを組み立てられたのは大きかった。相手の勢いをかいくぐって前に持ち運べて。最近ではなかなか3点も取るゲームもなかったので、良い形で最後を締めくくれたかな」と、少しの納得感を言葉にしていた。

 今季の守備力向上と攻撃力減退という対比を見た時に、ミシャの愛称で知られるミハイロ・ペトロヴィッチ監督の契約解除と堀孝史コーチの監督昇格をピックアップせざるを得ない。3点を取られても4点を取って勝つようなチームから、ロースコアの接戦を勝つチームへと変化していった。一般的には、守備面の整備をする方が攻撃の構築をするよりも楽だといわれるのがサッカーだ。浦和が守備力を維持しながら再び得点力を爆発させるチームになるのは、簡単な道のりではないだろう。

 興梠もまた「攻撃のパターンについては、やっている選手が戸惑いを感じながらやっているし、それは監督も感じていると思う。キャンプから修正できるのは良いことなのかな」と、シーズン終了時点で高いレベルに持ってこれなかったと悔やんだ。

「最初は無敵状態で、全く勝てなくなって」(柏木)

 柏木陽介は「来季へのヒントがある終わり方なのは良かったこと」と話した。そして、日本の四季にたとえて激動のシーズンを振り返っていた。

「春夏秋冬だったのかな。最初は無敵状態で、全く勝てなくなって、堀さんになってから“守備から”と新しくなって、最後は自分たちでボールを持つという、色々な季節を過ごしたと思う。しんどかったりもしたけど、良いこともいっぱいあったかな。欲を言えばミシャがいる時に何かできたのかなとも思うけど、それも人間として、サッカー選手として成長するために必要だったのかもしれない。最後にこれだけできて、Jリーグでももっとできると実感できたから」

【次ページ】 アジアを取って、レアルとも戦っていたとすれば。

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