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今季学生最強ランナー、
順大・塩尻和也が目指す道。 

text by

折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

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posted2017/12/07 11:00

今季学生最強ランナー、順大・塩尻和也が目指す道。<Number Web> photograph by AFLO

塩尻(右)は1年時からエース区間の2区を務める。3度目の箱根路ではどんな走りを見せるか。

「やる以上は日本記録や、それ以上の記録を」

 将来的なマラソン挑戦まではまだ現実的に考えられてはいないという塩尻だが、ハーフマラソンまでの距離では負けたくないという想いも大きくなってきたという。

「マラソンは周囲の方から言われたりもするし、自分でも挑戦してみたいという気持があるんですけど、そうなるとそれこそトラック種目との両立が難しくなると思うので。だからまずはトラック種目の方を自分が納得できるまでやりたいと思っていますね。マラソンも最近は若いうちにやった方がいいと言われるけど、比較的年齢がいってからのスタートで活躍している選手もいるので。今はそこまで気にしないでトラックを走ればいいのかなと思っています」

 現マラソンの日本記録保持者である高岡寿成は、3000mから1万mまでの日本記録を保持したこともある。塩尻にもそんなマルチランナーになれる可能性が秘められているのかもしれない。

 そういうと塩尻は「夢がありますね」と少し呆れた顔をしながらも、強く言葉を紡ぐ。

「どの種目でもやる以上は日本記録や、それ以上の記録を狙うことになると思います。難しいことではあるけれど、どの種目も今よりもっと上を目指していきたいと思います」

20年近く破られていない記録突破を目指して。

 箱根駅伝の2区での戦いへ向けても、強気な言葉を口にする。

「走り方云々より、駅伝は流れが大切だと思うんです。だから、早い段階である程度前を追っていくことが必要。もちろん後半はきつくなってきますけど、その中で粘っていけば今年の出雲駅伝で区間賞を取ったようないい走りが出来ると思います。

 全日本大学駅伝では前を追いきれなかったですが、箱根駅伝で仮にまた前を追うような展開になったとしても、積極的な走りができればいいかなと思います。後ろからスタートするようなら前を追うし、前でスタートするならより差を付ける走りをしたいですね。

 重視するのはチームの戦いだけど、個人の戦いとしても当然、勝ちたいですから。(神奈川大の)鈴木(健吾)選手が1時間6分台を狙うというなら、こっちもそれを上回るような記録を狙っていきたいですね」

 2区の日本人最高記録は、順大の先輩でもある三代直樹が75回大会で出した1時間06分46秒。20年近く破られていない高いハードルだ。だが、その記録更新も彼にとっては、次へのステップのひとつに過ぎないという意識なのだろう。

 控え目な口調で話しながらも、心の奥底には大きな夢を持っている――。

 それが、塩尻和也という選手だ。

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