錦織圭、頂への挑戦BACK NUMBER

最近、錦織圭が明るくなってきた!?
「ケガをして良かったと思う部分も」 

text by

山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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photograph byKyodo News

posted2017/12/02 11:30

最近、錦織圭が明るくなってきた!?「ケガをして良かったと思う部分も」<Number Web> photograph by Kyodo News

ドリームテニスで共に会場を沸かせた松岡氏と。松岡氏が錦織世代を育てたように、また錦織も若い世代を支援することになる。

ケガの前のほうがつまらなそうで苦しそうだった。

「1月の開幕戦での復帰はあくまでも予定。あと3カ月くらいかかるかもしれないし、もっとかかるかもしれない」

「手首にはまだ痛みが残っていて、本来の重量のラケットはまだ使っておらず、持ってみるとすごく重い感じがする」

「5割か6割の力でしか打てていないし、特に、ケガの原因になったサーブを打つのはまだ怖さがある」

 こうした内容だけ聞けば、相当悲観的になってしまう。にもかかわらず錦織本人のようすは、ケガをする前のほうがはるかにつまらなそうだったし苦しそうだった。

 さすがにこの状況ですごく楽しげということはないが、憑き物がとれたような柔らかな表情があった。

 そういう姿は、懐かしいようでもあり、新しい変化のようにも思えた。

「生きてるなあって感じることができる」

 また、変化という意味で印象に残った発言もあった。このようなイベントにおける自分の役割について話していたときだ。

「ファンとの距離も近いし、すごく有意義なもの。最近は世界中どこでも震災が起きたり、戦争をしていたり……自分1人の力では止められないことがある。そんな中で少しでもみんなの助けになったり、楽しんでもらえたりするということは、生きてる中で大切なことだと思う」

 過去にもこのイベントの〈意義〉についてはよく聞かれているが、たとえば一昨年はこう答えている。

「日本のお客さんにテニスを見て楽しんでもらえるいい機会。テニスをもっと知ってもらって、特に子供たちに何か感じてもらえたら一番うれしい。自分のモチベーションにもなるし、生きてるなあって感じることができる」

 自分と主に日本のファンの関係を強調した過去との違いに、また日本人にとって身近な悲劇である〈震災〉のみならず〈戦争〉にも思いを重ねた発言に、視野の広がりを感じるのだ。

「いろいろな出会い」や「自分の成長に費やした時間」のおかげなのだろうか。

【次ページ】 「ケイは子供たちにとってとてもいいお手本」

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