マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER

16歳の大谷翔平に衝撃を受けた地。
「晩秋のセンバツ」で熊野が燃える!

posted2017/12/03 07:00

 
16歳の大谷翔平に衝撃を受けた地。「晩秋のセンバツ」で熊野が燃える!<Number Web> photograph by Masahiko Abe

雄大な風景の中でしのぎを削る「ベースボールフェスタ・熊野」。高校野球通であれば足を運びたい垂涎の大会だ。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Masahiko Abe

 名古屋から特急に乗っても、大阪から乗っても、3時間半かかる。

 今は道のりの半ばほどまで有料道路が整備されたが、始まった10年以上前は下道で名古屋から5時間以上かかったという。

「熊野」という地名が盛んに聞こえるようになったのは、「熊野古道」が有名になってからであろう。

 それにしても、熊野という町がどこにあって、どんな町なのか。具体的に知っている人はまだそんなにいないのではないか。

 熊野古道を訪れる人たちも熊野の町は通り過ぎてしまうだけだから、なんとなく町に活気がない。若い人は名古屋や大阪に出て行ってしまって、町には中高年の姿ばかり。

 そんな熊野をなんとか元気にしよう! と立ち上がった地元の青年、壮年たちが、その足がかりにしたのが「高校野球」だったのは、彼らの多くが地元の高校を卒業した“元・高校球児”だったからだ。

人口1万7千人ほどの町から、2人のプロ選手が。

 もともと、野球熱の高い土地だと聞いた。

 人口1万7千人ほどの町の「木本(きのもと)高校」からは、プロ野球選手が2人出ている。190センチ近い雄大な体躯の長距離砲だった徳本政敬内野手はドラフト2位で広島に進み、巨人に進んだ高見昌宏捕手は、11年間の現役生活ののち、今もフロントの要職に就いている。

 11月下旬のこの時期でも温暖な熊野には、以前、オリンピックチームも合宿を張ったほどの「くまのスタジアム」がある。全国からというわけにもいかないが、近隣の東海・近畿の強豪に足を運んでもらい、地元の高校も交えてお互い練習試合ができたら。

 来てもらうのには不便な土地だから……と引っ込まず、「実行委員会」は無謀とも思えるアプローチに打って出た。

【次ページ】 熊野まで自腹で来てもらうが、強豪が集まる。

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