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浦和とACLは切り離せない関係だ。
10年ぶり制覇へ、改革の集大成を。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2017/11/18 08:00

浦和とACLは切り離せない関係だ。10年ぶり制覇へ、改革の集大成を。<Number Web> photograph by Getty Images

啓太、阿部、長谷部、闘莉王、達也、永井、ワシントン、ポンテ……埼玉スタジアムで歓喜の声を挙げてから10年。再びアジア王者に輝く時は今だ。

復調のきっかけは“ミシャ・フットボール”。

 '12年、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任。監督が指揮を執っていた広島からの移籍選手が増えるなかで、レスターから復帰した阿部がその中心に立っていた。攻撃的で魅力的なミシャ・フットボールの構築がここからスタートする。

「僕は試合には出られなかったけれど、ミシャのサッカーは本当に面白く、素晴らしいサッカーだと思う」と田中達也が語り、「ミシャのためにと思わせてくれる人間味に溢れた指揮官」と選手たちから慕われる監督のもとで、最初のシーズンでは3位と躍進した。

 '13年は6位だったが、'14年は2位、'15年ファーストステージ優勝(年間3位)、'16年セカンドステージ優勝(年間2位)と、常に優勝争いを演じるだけの力を発揮してきた。「決勝戦に弱い」という勝負弱さはあったものの、それも'16年のルヴァンカップ優勝で払拭されたかと思われたが……同年のチャンピオンシップで年間勝ち点1位ながらも、鹿島相手に勝ちきれなかった。

堀監督になって以降、勝ち切るたくましさが。

 '17年シーズンは8節までは首位をキープしていたものの、そこから成績が急落し、7月30日にペトロヴィッチ監督を解任。堀孝史監督が指揮を執る。リーグ戦での苦戦は続くものの、ACLでは決勝トーナメント1回戦と準々決勝と、ホームでのセカンドレグで続けざまに逆転劇を演じる。そして、ファーストレグを1-1とドローで終え、迎えた準決勝セカンドレグでは1-0の無失点で、決勝進出を決めた。

 西川周作は今回のACLについて、こう振り返っている。

「追い込まれた状況で逆転してきたけれど、本当に強いチームは、自分たちに有利な状況でも油断せずしっかりと勝てるチーム。僕らは去年のチャンピオンシップで優位な立場にありながら、勝ちきれなかった。それがずっと課題として残っていた。今日勝ち切れたことで、ひとつ課題が解消されたような気がする」

【次ページ】 「全力で戦ってほしいし、僕も全力応援します」

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