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「二兎を追う」文武両道ランナーたち。
それぞれが目指す箱根路。  

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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posted2017/11/10 17:00

「二兎を追う」文武両道ランナーたち。それぞれが目指す箱根路。 <Number Web> photograph by AFLO

関東学連選抜のエース格となった近藤。東大という環境を大いに生かすことでアスリートとしても飛躍している。

「違った価値観に触れられるのが良さかな」

 高校の頃からトラックよりも長い距離を走るロードの方が得意だった。生徒自らに練習メニューを考えさせる佐久長聖流の指導法が、受け身にならない姿勢を身につけさせたという。筑波大で伸ばしていきたいのも、まさにこの考える力だ。

「コーチの弘山(勉)さんもそれを尊重して下さって、自分の意見はすごく言いやすいです。正直、寮の設備や食事面のサポート部分では強豪校に進んだ同級生をうらやましく思わないこともないですけど、クロカンやロードの環境は筑波も良いので。むしろ色んな学部、環境、実力の人が部員にいて、違った価値観に触れられるのはこの大学の良さかなと思います」

 大きな目標に在学中のマラソン挑戦を掲げるが、箱根駅伝に対するモチベーションも決して低くはない。筑波大は今、箱根駅伝復活プロジェクトを進行中で、まずは個人として出場を狙う、相馬への期待は大きい。

 ルーキーはそれをプレッシャーではなく、励みに感じているようだ。

「まだ本選で走れる10名に選ばれるかどうかわかりませんが、走れるのであれば1年目から出たいです。自分が出られればチームとしてその経験を共有できますし、自分自身も1年目で大きな大会が経験できれば今後につながると思っているので。もちろん在学中にはチームで箱根に出場して上位で戦いたいと思ってます」

2年以降に急成長を果たした慶應ボーイ。

 慶大の根岸祐太は、慶應ボーイらしからぬ朴訥とした印象の青年だった。

 近藤や相馬が高校時代から陸上の高い能力を発揮していたのに対して、根岸が語るエピソードはいたって平凡だ。

 中学まではサッカー部。高校から陸上を始めるも成績は振るわず、県大会にすら行けなかった。最後のインターハイ予選では5000mで16分50秒かかって予選落ち。その悔しさが彼を変えた。

 付属校から慶大に進学すると、関東インカレ(関東学生陸上競技対校選手権大会)出場を目標に競走部に入部。記録がぐんと伸びたのは、大学2年の頃からだ。

「大学で競走部の寮に入って、そこで意識が変わりました。どうすれば速くなるんだろう、何を変えれば良いんだろうって陸上について考えることがすごく増えて、自然と走る量も増えていった。高校と大きく変わったのは、意識の変化です」

【次ページ】 「保科コーチに意識の壁を作るなと言われた」

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