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昔話に花を咲かせ、冗談で笑わせ。
ハリルinフランス、自然体の記者会見。 

text by

西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/11/09 08:00

昔話に花を咲かせ、冗談で笑わせ。ハリルinフランス、自然体の記者会見。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

代表発表会見や試合後インタビューのイメージが強いハリルホジッチ監督だが、フランスではまた別の一面を見せている。

会見であらためて垣間見えたチーム作りの方針。

 また、あらためてチーム作りの一端も垣間見えた。

 こまかに戦術や選手の人選を固め、チームを1つの方向に持っていく選択をする監督がいる。わかりやすい例で言えば、前回のブラジルW杯で日本を率いたザッケローニ監督はその類に入るだろう。

 ハリルホジッチ監督は違う。ある程度の戦い方の枠組みを作りつつも、ザッケローニ監督よりも選手個々のタイプを見る。それによって、できる戦い方とできない戦い方を精査し、絞り込んでいく。ブラジルW杯でアルジェリアを率いた時には、4バックや3バックと目まぐるしく戦い方を変えていく戦法だった。しかし、きっとそれ自体が“ハリル流”ではなく、その場に応じた選択をしたに過ぎなかったのかもしれない。

日本でも3バックを準備するか、という問いに……。

 それが今回、ある受け答えで理解できた。記者からの「アルジェリアと同じように、本大会に向けて日本も3バックを準備するのですか」という問いかけに、指揮官が答えた。

「3バックを選択するのは簡単だが、それをできる選手がいるかどうか、だと思う。今、3バックを流行として取り入れているチームはあるが、当然それをできる選手がいないと成り立たない形でもある。後ろ3人のDFで守るということは、スピードも要求されるし、特にポジショニングのところはインテリジェンスがなければ務まらない。1対1のデュエルにも勝てる選手でなければならない。

 それぞれのシステムには、それぞれの選手に求められるものがあるわけで。それをオートマチックに、ただ決め事だけを意識してプレーするだけでは難しい。実際にその場で対応しないといけない場面も出てくる。本当に、それをこなせる選手がいるか、ということ。必要なのはコミュニケーション。特に若い選手にはそれを言い続けているけど、まだ消極的な選手が多い。3バックとなれば、両サイドにいる選手(左右ウイングバック)も重要になる。そこをこなせるタレントがいるかどうかも関係してくる」

 チーム全体が引いた状態で受けに回る姿勢を、ハリルホジッチ監督は基本的には嫌う。相手との駆け引きで戦術的にあえて引く選択を採る場合はあるが、ボールを積極的に奪いに行き、素早く攻める、それがあくまでベースである。

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