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CL、バイエルン戦と連続スタメン。
香川真司が語る「代表と現状」。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byAFLO

posted2017/11/08 11:30

CL、バイエルン戦と連続スタメン。香川真司が語る「代表と現状」。<Number Web> photograph by AFLO

香川真司がドルトムントで見せているパフォーマンスは決して悪くない。今はここで、安定して力を発揮する時だ。

「このレベルの相手に、久しぶりに悔しいと感じた」

 ラインが下がり気味になったうえに、香川にボールを収めるという場面が減り、彼の頭を越えるようなボールも増えていく。もちろんカウンターからチャンスを作ることもあったが、香川が彼の仕事をする状況は目に見えて減っていた。ゲームが止まるたびに、手を振り、周囲に声をかけている香川の姿が強く印象に残った。香川に質問してみた。

――自分の良さを出せなかった理由をどんなふうに考えていますか?

「彼ら(バイエルンの選手)のワンプレーだったり、隙を逃さないところを改めて感じた。やはり前半2-0というのはね、なかなか巻き返すのは難しい。それだけ相手には余裕があったと思うし、逆に僕らは前半に関しては、ミスを恐れて消極的だった。こういうゲームではそういう細かいところでも、優位に立ちたかった。チーム状況を見てもこういう展開になるとなかなか、今の状況では厳しいのかなぁとは感じました」

――周りに対してかなり声を出していたように見えました。

「やはり、1点取ればどうなるかわからない世界ですから。チャンスは何度かあったし、そこで決めきれるかどうか、そういう細かいところでの差が出たのかなと」

――香川選手の頭を越えるボールも増え、攻め急ぐような場面も少なくなかった。

「どれだけ後ろからビルドアップできるかというところで、やはり前半はその意識が欠けていたし、自分たちで消極的なボール回しをしていた。だから、相手も簡単にボールを蹴らせれば良いという感覚があったと思う。だから、そこでどれだけ勇気を持って前に運べるか。マルティネスの両サイドが空いていたので、どこで受けたらチャンスになるかはわかっていたんですけど、チームとして良い距離感を保てなかった。ボランチを経由したり、サイドバックに高い位置を取らせたりといった、細かい工夫ができていなかったと思います」

――結果が出ずに悪い状況が打開できなかった、と。

「もちろん。でも、またこの状況を跳ね返すしかない。このレベルの相手に対して、久しぶりに悔しいと感じた。それをどう切り替えてやっていくか。もちろん結果を受け入れなきゃいけない。ただこの悔しさが僕自身をまた良くしていくと思っているし、それを信じてまたやっていくだけです」

――不本意ながら、代表ウィークをクラブで過ごすことができ、時間に余裕が生まれたとも言えますよね。

「そうですね、僕はそう捉えている。しっかりとまずは休むこともできるし、またその後に過密日程に入るので。しっかりと自分のやることを整理して切りかえていきたい。逆にこういうときは、次、早く試合をしたいものなので。それがないのはもどかしさがありますけど、これは受け入れなくちゃいけない事実。代表もそうですし、クラブにおいても、このバイエルン相手に負けたという、やっぱりその悔しさは残っているし。それをしっかりと次へ繋げられるように受け入れるしかないですね、悔しいですけど。次へ向けて頑張ります」

【次ページ】 クラブでは先発起用、代表ではまさかの選外。

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