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畠山健介と湯原祐希のスクラム語り。
「ジャパンが重要性を知らしめた」 

text by

朴鐘泰

朴鐘泰Park Jong Tae

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/11/03 11:00

畠山健介と湯原祐希のスクラム語り。「ジャパンが重要性を知らしめた」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

近年はFWにもフィールドプレーが求められるが、スクラムはまさに彼らの正念場。ここで押せるか押されるかは天地の差なのだ。

湯原「ヤバイスクラムで思い出すのは……」

畠山 しっかり上手く8人でスクラムを組めれば、「行ける!」と感じる瞬間がある。

湯原 その時は2番がゴーサインを出してね。別に言葉で「ゴー!」というわけではなく、前にグーッと伸びて、そのまま行く感じで。

畠山 力の流れを体で感じ取れるので、言葉がなくても感覚でわかる。逆に、「あっ、これ無理、ヤバい!」っていうのも顕著にわかる。このまま行ったら首とか腰とか痛めてしまう、っていう。そういえば僕、東芝戦のスクラムで肋軟骨折ったことありましたよ。確か、2013年のトップリーグのプレーオフトーナメント決勝で(19-3でサントリーが勝利)。

湯原 覚えてるよ。ハタケが前半で退いて、交代で出てきた池谷(陽輔)さんがスクラム職人なものだから、その後えらく苦戦したよ(笑)。僕がヤバいスクラムで思い出すのは……エディー・ジャパンの時に対戦したジョージアかなあ。8人で掛けてくる圧力が、もう、尋常じゃなかった。僕は途中出場だったから1本、2本しか組めなかったけど、完全に組み負けてしまった。

畠山 今度ジャパンが対戦するオーストラリア、フランス、トンガの3カ国の中では、フランスが一番スクラムが強いんじゃないかな。オーストラリアはスクラムを売りにしているチームではないけど、何せあのオールブラックスを破っている(10月21日)。フィールドプレーはまさにオーストラリアの“土俵”なので、セットピースがオーストラリア攻略のカギになるはず。フランスとは2011年のW杯で対戦していて、セットピースが強いといっても、ディシプリンやモチベーションにムラのあるチーム。そこでプレッシャーを掛けると自滅を誘える可能性もある。

湯原 トンガに対しては、前半はとにかく我慢だね。トンガの選手は体も大きくて、パワーも強いから、前半は耐えて、耐えて、踏ん張る。でも後半、必ず向こうはバテてくるから、そこでプレッシャー掛けて、ペナルティもらって前に出て行く。

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