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27歳で、ついにフルシーズン完走。
湘南・山田直輝が語る怪我と代表。 

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杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2017/11/02 11:30

27歳で、ついにフルシーズン完走。湘南・山田直輝が語る怪我と代表。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

山田直輝らしい縦横無尽のムービングが、ついにシーズン通じて発揮された。その躍動を来年のJ1の舞台でも見たい。

J1昇格が決まると伴侶に「1年間、ありがとう」。

 山田が左ヒザ前十字じん帯を損傷してリハビリに励んでいた2012年に結婚。その後もケガに悩む姿を隣でずっと見てきたパートナーの思いは切実だ。

 J1昇格が決まったときに、山田は良き伴侶に「1年間、ありがとう」とあらためて感謝の気持ちを伝えた。

「直輝は大人になった。奥さん、子ども、家族に感謝しないといけない」

 湘南のチョウ・キジェ監督は体だけでなく、中身の変化にも目を向けていた。人として、フットボーラーとして幅を広げたという。

「今季はチームを引っ張っていく責任を背負い、それを若手にも背中で見せていた」

チョウ監督の薫陶を受けてサッカー観も変わった。

 期待が大きかった分、山田は監督から厳しく叱責もされた。「本当に怖くて(笑)。高校の先生みたい」と言いながらも、指揮官への信頼は揺らがない。浦和レッズから期限付き移籍で湘南へ来て3年目。「ここでサッカーをすれば、成長できる」と留まり続けた。

 監督の影響は大きく、サッカー観まで変わった。昔はバルセロナ、アーセナルの華麗なパスワークに惹かれていたが、いまはドルトムントやアトレティコ・マドリーの縦に速く、激しくプレスを掛け続けるスタイルに魅力を感じている。「あのスピード感がいい」としみじみ語る。

 湘南をけん引し、この1シーズンで揺るぎない自信を手にした。2シャドーの一角で攻撃のリズムをつくり、得意のワンタッチプレーで局面を打開。球際の強さが増し、プレスのタイミングなどもツボを押さえている。

「状況に応じ、勝つために自分が何をすべきかが分かった。チームのために走れるようになったのは、以前の僕とは違うところ」

【次ページ】 ロシアはあきらめてないし、カタールも狙う。

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