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底知れぬポテンシャルの三原舞依。
中国杯で再び世界を驚かせるか? 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2017/11/02 08:00

底知れぬポテンシャルの三原舞依。中国杯で再び世界を驚かせるか?<Number Web> photograph by Asami Enomoto

ジャパン・オープンでは自身の持つフリーの日本女子歴代1位を上回り、技術点では世界女王メドベデワをも上回る点数を叩き出していた三原。

「不安、怖さがあったかなと思います」

 迎えたシニアの2シーズン目、最初の試合で三原が感じたのは、それだった。

 国内での試合を経て、9月下旬にカナダで行なわれたオータム・クラシックに臨んだ。三原は最終的に2位になったものの、フリーでジャンプにミスが出て、総合得点は199.02と自己記録を大きく下回った。

 この大会の前、よぎったのが「怖さ」だったという。

「昨シーズンは大きな大会にも出て楽しかったシーズンでしたが、2年目の今シーズンは同じようにはいかないのかなという不安、怖さがあったかなと思います」

 本来の演技をできなかった理由がそこにあった。

「練習から昨シーズンの気持ちを忘れずにやってきた」

 だが、三原はそのまま立ち止まることはなかった。

 フリーのみで行なわれるジャパンオープンでは会心の滑りで147.83、非公認ではあるが自己ベストを上回る高得点を得たのである。

 すべての要素に加点がつく、三原らしい「ノーミスの演技」だった。

「今回は怖さを感じませんでした。オータムが終わったあと、『もう怖さを経験したから大丈夫』と自分に言い聞かせて、練習から昨シーズンの気持ちを忘れずにやってきたのがよかったと思います」

 こう三原は振り返ったが、怖さを払拭することができたのは、心の持ちようを変えようと努めただけでなく、積み重ねてきた“地力”あればこそだ。いや、だからこそ、心も変えることができたのだろう。

 また、三原はショートでこれまでにない方向性のプログラム『リベルタンゴ』に取り組んでいることに代表されるように、挑戦する姿勢をもってシーズンに臨んでいる。

【次ページ】 「守る」のではなく「挑む」という姿勢で!

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