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史上最悪レベルの極悪馬場状態。
菊花賞でキセキが証明した純粋な力。

posted2017/10/23 12:25

 
史上最悪レベルの極悪馬場状態。菊花賞でキセキが証明した純粋な力。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

泥だらけの菊花賞を制したのは、キセキとデムーロのコンビだった。タイムは遅かったが、パワーの証明にはなったはずだ。

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 台風21号の接近による大雨で、第78回菊花賞(10月22日、京都芝外回り3000m、3歳GI)は、レース史上3度目の不良馬場で行われた。

 泥んこ馬場で最後の一冠を手にしたのは、ミルコ・デムーロが騎乗した1番人気のキセキ(牡、父ルーラーシップ、栗東・角居勝彦厩舎)だった。2着を2馬身突き放し、重賞初勝利をGI制覇で飾った。

 横殴りの雨がやまず、京都の芝コースはぬかるんで上滑りする極悪馬場になった。走りづらいうえに、前の馬がはね上げた泥水を浴びる、きわめて過酷な条件だ。

 菊花賞の上がり3ハロン40秒0という数字からも、普通の道悪ではなかったことがよくわかる。

 ここまで悪化すると、逆に、道悪適性があるとかないといったことは関係なくなり、純然たる力勝負になるようにも思われた。

デムーロが外国人騎手初のクラシック三冠完全制覇!

 そんななか、ゆっくりとゲートを出たキセキは、序盤から掛かり気味だった。とはいえ、ただ折り合いを欠いていたというより、これだけタフな馬場でも、前に行こうとする活力に溢れる走りに見えた。

 デムーロは、勝負どころから迷わず大外に進路をとって進出。直線で豪快に伸び、突き抜けた。

「大変なレースだったけど、能力が高いので、自信があった。少しテンションが高く、3000mは得意ではない。折り合いに気をつけ、馬の気持ちを一番大事にしました。素晴らしい脚を使ってくれた。楽勝でした」

 そう話したデムーロは、外国人騎手として史上初めてクラシック三冠完全制覇を達成した。2003年にネオユニヴァースで春の二冠を勝ってから14年。歴代7位タイのJRA・GI22勝目が、名誉ある一勝となった。

【次ページ】 この状況で勝てる馬ならヨーロッパの道悪でも……。

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