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日本はハイチに恥をかかされた。
スタメン組の実力を再確認した試合。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/10/11 11:30

日本はハイチに恥をかかされた。スタメン組の実力を再確認した試合。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

アディショナルタイムに追いついたものの、日本にとっては勝って勢いをつけたい試合だったことは間違いない。

組織力に頼れない局面で、個人能力が露呈した。

 長谷部誠、本田圭佑、岡崎慎司の招集が見送られ、川島永嗣、吉田麻也、酒井宏樹、山口蛍、井手口陽介、香川真司、大迫勇也、原口元気、久保裕也がスタメンから外れたこの日のチームに、オートマティズムを求めるのは難しかった。

 ピッチに立った選手たちはハリルホジッチ監督の要求を満たしながら、それぞれに特徴を発揮することを求められた。なおかつ、局面に応じたプレーをしなければならない。

 オートマティズム=チーム戦術よりも、個人戦術で解決しなければならない場面が多かったのは間違いないだろう。とりわけ守備の場面でチーム戦術を拠りどころにできなかったことが、失点の原因となったのは否定できない。

 ただ、練り上げてきた連係に頼れないのはハイチにも共通する。連係を「組織」に置き換えてもいいが、いずれにせよ、そこで問われるのは「個」の力だ。攻撃であれば突破力、馬力、スピードといったものであり、守備においてはボールを奪い取る力、競り合いに負けないパワーといったものである。

 ベストメンバーと言っていい布陣を編成しても、世界のトップオブトップが相手では組織に頼れない局面が出てくる。個人の力で解決しなければ、失点を避けられないことがある。

川島、吉田、酒井宏の価値を再確認した内容。

 そう考えると、ハイチ戦の評価は厳しくならざるを得ない。

 ハイチの選手たちが高い身体能力を備え、ヨーロッパでプレーする選手が含まれているとしても、彼らはワールドカップに出場するレベルではないのだ。

 ひるがえって日本は、ロシアW杯にブラジルW杯でのリベンジを期している。「個」の攻防でも対抗できなければ、物足りなさが膨らむのは当然だ。

 ロシアW杯へのテストという視点でこの試合を振り返れば、守備陣には合格点も及第点もつけられない。連係が未成熟で組織的な守備が成り立たず、それゆえに一人ひとりの責任範囲が明確でなかったとしても、時間の経過とともに改善がはかられていいはずである。川島、吉田、酒井宏の価値を、再確認するような内容だった。

【次ページ】 中盤より前には存在感を発揮した選手もいたが……。

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