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松山英樹に無理やり聞いた“収穫”。
「よかったことにしておきましょう」

posted2017/10/07 08:00

 
松山英樹に無理やり聞いた“収穫”。「よかったことにしておきましょう」<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

世界選抜の仲間と笑顔を見せる松山英樹。新シーズンは、もうすぐそこに迫っているが、休息と試合のバランスは自分で取るしかないのだ。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 珍しい言葉だと思った。

 9月、PGAツアーのプレーオフシリーズ中盤戦。第3戦(全4試合)のBMW選手権は今年、シカゴ近郊のコースで行われた。

 松山英樹は2日目のプレーを終え、きょうもまた、満足に至らなかったラウンドを振り返る。なんだか不機嫌を通り越し、半ば自分に呆れたように、それでも溜息には期待を込めて言った。

「結果が……もうちょっと欲しいですね」――。

 1カ月前のWGCブリヂストン招待でシーズン4勝目、世界選手権2勝目を飾り、翌週の全米プロゴルフ選手権では最終日に最終組のひとつ前で優勝を争った。首位で迎えたバックナインで同じ組のジャスティン・トーマスに敗れて涙をのんだが、メジャータイトルにこれまでで最も近づいた瞬間だった。

内容を突き詰めてきた男が求めた「結果」。

 夏場の輝きが強すぎたからだろうか。松山はこのポストシーズンで、その失速ぶりがよりクローズアップされた。約1カ月、練習ではショットが及第点に届いても、コースに出ると本調子には程遠い状態が続いた。特にティショットがまとまらず、ラウンドがスタートしてみなければ予測がつかないといった毎日だった。

 パッティングの感触はそれほど悪くなかったというが、ボールはカップに収まらず、天を仰ぐシーンが何度も繰り返された。「結果が欲しい」――。いつも目の前のスコア以上に自分の感覚や、一打への内容を突き詰めようとする松山が、そう吐き出した。

「アイアンも良くない。ティショットもフェアウェイに行ってないですよね。全体的に……全部っすね」

 いまは好スコアを求めたい時期?

「そうですね……心のダメージが大きいんで」

 鉄のように硬い意志で道を邁進してきたような男が、そうこぼした。

【次ページ】 歴史的失速まであと少しだったプレーオフ。

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