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CSを占う3つの視点と膨大なデータ。
キーワードはちゃら、時価、救援。
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2017/10/13 11:30

CSを占う3つの視点と膨大なデータ。キーワードはちゃら、時価、救援。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

単純な戦力の足し算であれば、ソフトバンクはパ・リーグで頭1つ抜けている。13.5というゲーム差に相応しい戦いを見せられるだろうか。

実はソフトバンクは、CSだけに限ると勝率5割。

ポイント1 レギュラーシーズンの実力差は「ちゃら」になる

 これ、優勝チームのファンからしたら「やだ!」となるのだろうが、だからCSは面白いのだ。

 CSの12球団の通算勝敗。(1)はファーストステージ、(2)はファイナルステージ。なお1位チームに与えられるアドバンテージの1勝は含まない。

<パ・リーグ>

日本ハム   22勝16敗0分 (1)5勝5敗 (2)17勝11敗
楽天     6勝4敗0分 (1)2勝0敗 (2)4勝4敗
ロッテ    18勝16敗0分 (1)8勝5敗 (2)10勝11敗
ソフトバンク 24勝27敗0分 (1)7勝6敗 (2)17勝21敗
西武     9勝18敗0分 (1)7勝11敗 (2)6勝7敗
オリックス  1勝4敗0分 (1)1勝4敗 (2)なし

 例年、ペナントレースではあれほど強いソフトバンク(ダイエー含む)が、CSでは5割以下。ファイナルステージでは負け越しているのだ。

 今年もそうだが、ソフトバンクは1位通過で2位、3位のチームを待ち受けることが多い。

 この「待ち受け時間」の間に、チームが「エンジンが落ちた」みたいな状態になるのだろう。

 練習試合などでチーム状態を維持しようとしているが、なかなか難しい。そこへ、ファーストステージで勝ち抜いたチームがエンジン全開でぶつかってくる。で、苦しい戦いになる。

<セ・リーグ>

中日   22勝14敗1分 (1)8勝3敗 (2)14勝11敗1分
広島   5勝5敗1分 (1)2勝1敗1分 (2)3勝4敗
ヤクルト 9勝9敗0分 (1)4勝5敗 (2)5勝4敗
巨人   19勝23敗1分 (1)6勝5敗 (2)13勝18敗1分
阪神   7勝10敗1分 (1)3勝10敗1分 (2)4勝0敗
DeNA   3勝4敗0分 (1)2勝1敗 (2)1勝3敗

 この数字を見る限り、2年連続優勝の広島が有利とは断言できない。

 阪神は、ファーストステージで弱い。だから2014年に1度ファイナルステージに進出しただけだ。

 DeNAは、ポストシーズンが拡大してから2015年まで1度もCSに出場できなかった。昨年、初めてCSに進出したが経験は一番浅い。

 巨人との3位争いに競り勝ったDeNAの勢いに、阪神はどのように対抗するだろうか?

【次ページ】 CS限定の打撃成績は、レギュラーシーズンとは全く違う。

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