再び「世代交代を推し進めた監督」となれるか。

　ホジソン体制のクリスタルパレスは、攻撃志向のチームが増えている今日のプレミアでは古臭くて単純と映るのだろう。だが、それは堅実で効率的な戦い方とも表現し得る。プレミアの中小クラブにとっては、サバイバルのための常套手段だ。

　イングランド代表でも、ホジソンは同様のアプローチに徹した。就任後の準備期間が限られていたEURO2012の結果は8強入り。確実にできることに徹するホジソンのチームを侮ってはならない。

　クリスタルパレスを見捨てるのもまだ早い。たとえ降格スレスレの17位でも今季の残留を実現し、契約最終年の来季は無難に終えて、再び攻撃的スタイルへの変更を推進するであろう後任監督にある程度下地の整ったチームを託すことができれば――。

　ホジソンの過去に関しても「アイスランドに負けた監督」ではなく「世代交代を推し進めた監督」という印象が強まるかもしれない。