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宮市、宇佐美、内田、そして関根。
混沌のブンデス2部、4人の現状は? 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2017/09/23 07:00

宮市、宇佐美、内田、そして関根。混沌のブンデス2部、4人の現状は?<Number Web> photograph by AFLO

内田所属のウニオン・ベルリン戦で移籍後初ゴールを奪った宇佐美。2部の舞台で捲土重来を期する。

宮市の戦線復帰はウインターブレイク前後か。

 ザンクトパウリに所属する宮市亮は右膝の十字靭帯断裂による離脱中で、今回のトラブルには巻き込まれなかった。

 ツヴァイテリーガ3年目を迎えた快足アタッカーに期待されるのは、早期の戦列復帰と昇格に貢献するような働きだ。過去2シーズンの大半を怪我で棒に振りながら、「孤独を感じさせたくない」との理由から契約延長を申し出てくれたクラブの恩に報いるためにも、1日も早い全快が待ち望まれる。

 当初の診断どおりなら、ピッチに戻ってくるのはウインターブレイク前後となりそうだ。

 その宮市以外にも数多くの日本人プレーヤーがツヴァイテリーガに参戦している。なかでも注目度が高いのは、宇佐美貴史と内田篤人だろう。

 第5節のフォルトゥナ・デュッセルドルフ対ウニオン・ベルリンでともに後半途中からピッチに立ち、奇しくも同じ舞台で新天地デビューを果たした両雄は、メモリアルゲームでいきなり得点に絡む。内田が敵のオウンゴールを誘発すれば、宇佐美は豪快な右足ボレーで同点弾を挙げたのだ。前者は相手の決勝点につながるパスミスも犯したが、シャルケに所属していた昨年12月以来となる公式戦出場で、しっかりと自身の存在をアピールしてみせた。

高原、大迫を指導した監督のもと宇佐美は復調なるか?

 どちらもレギュラー定着には至っていないが、その第一目標を先にクリアーするのは宇佐美か。移籍市場閉幕間際にハノーファーへ去ったイフラス・ベブに代わるレギュラー候補としてデュッセルドルフに加わったが、高原直泰や大迫勇也ら多くの日本人を指導してきたフリードヘルム・フンケル監督からも即戦力と見なされているからだ。

 前所属先のアウクスブルクでは守備重視の戦術に加え、フィジカルの強いアタッカーを重用する指揮官の嗜好に合わなかった。しかし新天地ではMF金城ジャスティン俊樹やフロントの瀬田元吾氏など同胞もおり、落ち着いた環境の中で水を得た魚のように躍動しても不思議はない。

 一方の内田は2部のプレーヤーとしては図抜けた実績を誇るが、まずはバックアッパーという位置づけ。ウニオン・ベルリンの右サイドバックにはオーストリア代表歴を持つクリストファー・トリンメルが君臨しており、内田本人も地元紙『bz-berlin』に「彼から多くのことを学びたい」と話している。第7節のザントハウゼン戦で約2年半ぶりとなる先発フル出場を果たしたのも、前節から中3日だった過密日程を乗り切るためのローテーションとの見方が強く、スタメンに定着するまで相応の時間を要しそうだ。

【次ページ】 内田の起用法として推奨したいのは……。

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