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糸井重里がノーバン始球式!!
松本・前橋と続く、巨人戦ながれ旅。 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byYasutaka Nakamizo

posted2017/09/19 11:00

糸井重里がノーバン始球式!!松本・前橋と続く、巨人戦ながれ旅。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

ちょっと……遠目で見えにくいですが、糸井さんがノーバンなんです!!

松本の蕎麦の感動と、東京のコンビニ蕎麦での絶望と。

 大げさではなく人生で最も美味い蕎麦だった。

 あまりのクオリティに感動した俺は、翌日の昼もこの店でかけ蕎麦と地元名物の山賊焼き(鶏肉をにんにくベースの味付けで揚げたもの)と葉わさび漬け、計856円を堪能。

 ちなみに帰京してから蕎麦ロスに陥りコンビニで買ったら、まるでゴム紐を啜っているような気持ちになったことも付け加えておこう。

球場では、あゆの塩焼きがお出迎え。

 もはやほとんど『孤独のグルメ』みたいになってるけど、野球の時間も迫っている。

 ホテルに荷物を置いて、バス停に向かう途中に中日ドラゴンズの用具を運ぶトラックに遭遇した。おおっ、確かにこの街にプロ野球がやって来ているのだ。

 松本市野球場の最寄りバス停は松本第一高校、運賃は240円。係員は必死に客をさばくが長蛇の列でなかなかバスが出ない。無理もない、1年に1度あるかないかという慣れないビッグイベント。客も地方開催の試合は気持ちと時間に余裕を持って行動した方がいい。

 アルピコ交通のバスに20分弱揺られて球場近くに降り立つと、さっそく美味しそうな香りが漂ってくる。球場周辺には様々な屋台が出ているからだ。

 ビニールシートを敷いて、すでにビール片手に乾杯しているグループも多い。人気の山賊焼きはもちろん、なんと炭火のあゆの塩焼きも売っている。1本600円、こんなの美味いに決まっている。

 ずるいよー、ずるいっすよーと心の中で叫びながらひたすら食べる。

 なぜ野球遠征で出会う現地の名産品はこんなにも美味く感じるのだろう。すっかり満腹になって球場へ。

 入場口ではスタンドをオレンジ一色に染めましょうとオレンジ色の紙を渡された。巨人は11年連続のクライマックスシリーズ出場を懸けてDeNAとの3位争いの渦中で、負けられない戦いが続く。確かに広島や阪神の背中は遠い。

 けど13連敗を喫し、2カ月半前の東北遠征ではヤクルトと最下位決定戦とか言われていた頃を考えると、リーグ屈指の先発三本柱を中心によくここまで盛り返した。心からそう思う。

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