プロ野球列島改造論BACK NUMBER

ダンカンが説く驚天動地の革命論!
「全現役選手ドラフト会議」とは。 

text by

ダンカン

ダンカンDankan

PROFILE

photograph byKyodo News

posted2017/09/18 06:50

ダンカンが説く驚天動地の革命論!「全現役選手ドラフト会議」とは。<Number Web> photograph by Kyodo News

昨年のプロ野球ドラフト会議。5球団による1位指名の競合を勝ち抜いた工藤公康監督の表情にご注目!

プロ野球を見尽くしてしまった……後の興奮とは?

 例えばドラフト会議ひとつとってみても、「江川卓の空白の一日」で身体中の血が沸き立ったのはもう遠い昔のことだ。

 他にも「桑田真澄と巨人の密約」もあったし、そこから生まれた「天才打者・清原和博の歴史に翻弄される運命」など、グラウンド上だけではない、プロ野球を軸とした複雑怪奇な人間ドラマが昔は確かにあったように思う。

 そういう、胡散臭い部分も含めて「プロ野球は面白かった」のだ。

「面白かった」と書いた時点で残念ながら現在より過去に軍配を挙げている俺がいる。当たり前だが、人間は過去より現在が面白くシアワセな方がいいに決まっている。俺も含めたそんな「プロ野球の全てを観つくしてしまって、いまや枯れそうになっているベテランファン」に向けて、新しく過激な日本プロ野球像を俺は提案したいと思う。

 俺が提案する「新・日本プロ野球」とは……それは「全現役選手ドラフト会議」である!!

10人だけプロテクトし、あとは全員ドラフトだ!

 そもそもドラフト会議というのは、毎年有望と思われる新人選手を各球団が選択し、場合によってはくじ引きで獲得する(交渉権を得る)会議だ。

 あれを12球団、だから1球団70人の支配下選手×12球団分、延べ840人くらいをドラフト市場に毎年全員出す、と。それで、日本シリーズが終了して1週間後に、毎週10人ずつ2週間にわたってドラフト会議を長々と繰り広げてみるという案だ。

 えーーっと、もう少し細かく、順序立てて説明いたしますと……。

 まず各球団が最初に10人のプロテクト選手を発表する。

 巨人を例にとるなら、エース菅野に貴重な左の先発田口は外せない。頼れる外国人投手のマイコラス、マシソンも残したい。捕手では小林を手離すことはできないだろう。野手はチームリーダーの坂本、シャープな陽岱鋼、さらにはチームへの貢献度や経験から当然阿部は決まりなのだ。

 さ、となるとここまで8人のプロテクトが決まったが、残り2人をどーする? ということになる。

 村田に長野にマギー、いやもちろんその他にも亀井に石川に中井、重信、内海、西村……2人なんてとても絞れない!

 しかし、そんな泣き言を聞いてられるかい! さあ選べ! さあ決めろ! という具合に情け無用のドラフト会議が始まり、1、2週……と2週にわたって10人ずつ各球団が来季戦うチーム作りのバランスなどを考え指名していくのだ。もちろん、競合したらくじ引きだ。

【次ページ】 『朝まで生・現役ドラフト会議』をやろう!

BACK 1 2 3 NEXT
川上哲治
江川卓
桑田真澄
清原和博

プロ野球の前後の記事

ページトップ