スアレスを左に置いてまで右で起用した期待値。

　元々気の利いたプレーなどできる選手ではない。気の利いたプレーを求めるのであれば、使える選手は他にもいる。現時点でのパフォーマンスを考慮すれば、デニス・スアレスやアルダ・トゥランの方が左ウイングとしてより計算できる。

　それでもバルベルデが使い続けているのは、彼もまたデウロの覚醒を待ち望んでいるからではないか。

　第3節エスパニョール戦にて、バルベルデは左ウイングのいない左右非対称のシステムを採用した。スアレスに左サイドの守備を強いてまで試したこのシステムの目的の1つは、デウロを左ではなく本職の右サイドで使うことだったと思われる。ここまで配慮してくれる監督はなかなかいない。

　果たしてデウロはこのチャンスを生かし、覚醒することができるのか。それとも未完の大器のまま終わってしまうのか。

　小さくまとまらず、大胆不敵にサイドを切り裂け。お前にしかできない突き抜けたプレーを見せてみろ。

　そう願っているクレは少なくないはずだ。