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<注目女子アスリートインタビュー presented by リポビタンD>クライマー・大場美和が“夢”に込めた思い。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2017/09/27 14:00

<注目女子アスリートインタビュー presented by リポビタンD>クライマー・大場美和が“夢”に込めた思い。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

飽きっぽい性格だけど、クライミングは別。

 昨春、故郷の愛知県岡崎市を離れ、大学進学とともに横浜に拠点を移したが、今年の4月、休学することを決めた。

「大会などで結果を出すには、実力が足りていません。追いつくためには他の人よりたくさん練習しないといけない。通学していたらできませんから、休学してクライミングの時間を増やそうと思いました。クライミングに懸けている? そうですね」

 現在の練習内容はこうだ。

「午前中は少しランニングをしたり、器具を使って負荷のかかるトレーニングをします。だいたい2、3時間くらいです。午後は壁を登る練習です。7、8時間くらいするときもあります」

 長いときは、実に10時間を超えることもある。

「飽きっぽい性格」という大場は、クライミングだけは続けてきた。10年ほど経った今も変わらないのはクライミングへの情熱だ。

「クライミングは自分の限界がどこにあるのかを試せるのが魅力です。この一手がとれるかとれないかというところを登るのがすごい楽しい。始めてから数カ月の人を見ていても、ずっとトライしているルートを登っている最中も楽しそうだし、登ったらもちろん楽しいし、経験が何年でも、その楽しさは変わらないと気づきました」

「ほかの人のためにも登ろうと変わってきています」

 大会で思うような成績が残せないときなど、壁にあたって辛いときもあった。でも、「単純に登るのが好きだから」、やめようとは思わなかった。

 一方で、変わってきたこともある。

「始めた頃は登るのがただ楽しくてやっていました。今も、もちろん楽しいというのが一番大きいけれど、お世話になっている人たちに恩返ししたいという気持ちもあって、ほかの人のためにも登ろうと変わってきています」

 振り返れば、始めたいと言ったときから応援し、自宅に壁も作ってくれた家族がいた。今、アルバイトをしながら練習しているジムの理解、スポンサーの支援……。

 最近出演した大正製薬「リポビタンD」のCMもそうだ。そこで三浦知良、ケイン・コスギと共演する機会を得た。

「観てくださった方が多くて、反響もいただいています。クライミングをもっと知ってもらえるので、出られてよかったです」

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