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<注目女子アスリートインタビュー presented by リポビタンD>クライマー・大場美和が“夢”に込めた思い。

posted2017/09/27 14:00

 
<注目女子アスリートインタビュー presented by リポビタンD>クライマー・大場美和が“夢”に込めた思い。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph by

Shigeki Yamamoto

TVCMで三浦知良選手を前に圧巻のパフォーマンスを見せる女性をご存知か?
日本を代表するプロクライマーの一人、大場美和、弱冠19歳――。
今注目の彼女に、スポーツクライミングに懸ける思いや夢について聞いた。

「私は、日本一ラッキーなクライマーです」

 トップクライマーの一人となった今、大場美和は笑顔で言う。

 そこには、クライミングと出会ってから過ごしてきた時間が込められていた。

 2013年の世界ユース選手権リードで3位、2015年のアジアユース選手権ではリード、ボルダリングで優勝。ワールドカップにも出場してきた大場がクライミングと出会ったのは、1枚の写真がきっかけだった。

 9歳、早生まれの大場が小学4年生のときだ。父が雑誌をめくっていた。そのとき、写真が目にとまった。

「かっこいいな」

 そこに壁を登る女性が写っていた。

「あとから調べたら、マヤ・ビドマーでした。日本でワールドカップが行なわれたときに優勝した選手で、そのときの写真だと思います」

 家族の前で、大場は言った。

「これ、やってみたい」

 もともと器械体操をしていたが怪我でやめていた。何か別のスポーツをしたいと考えていたときでもあった。

自宅にできた特製の壁を夢中で登っていた。

 いざクライミングを始めると、とにかく楽しかった。

「親が休憩したらと言ってもずっと登っていたくらい。はまりました」

 最初の2、3年は週2回ほど、自宅から車で十数分のところにあるジムへ、両親の送り迎えで通って練習した。

 練習の頻度が増えたのは、小学6年生の頃。自宅に壁ができたからだ。父が知り合いの大工に相談し、作ったものだった。

「家にあればいつでも登れるから、と。母も『いいんじゃない』という感じでした」

 できあがると、夢中で登った。

「ずっと登っていると指の皮が削れてきて血が出たりします。でも痛さを感じないくらい熱中していて、『血が出ているからやめなよ』と言われても、『もう少し登る』ってやめませんでした。終わったあとは、さすがに痛かったです(笑)」

 やがて大会にも出場するようになり、競技の世界へと足を踏み入れた。

【次ページ】 飽きっぽい性格だけど、クライミングは別。

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