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「スクール・ウォーズ」以降の接点を。
岩渕理事が語ったW杯以後のラグビー。 

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/09/08 17:00

「スクール・ウォーズ」以降の接点を。岩渕理事が語ったW杯以後のラグビー。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

人間力、アイデア力、面白いものを作れる人材を。

 弱小校ラグビー部がある教師の赴任をきっかけに日本一へと成長していくドラマ「スクールウォーズ」が放映されたのは'84年。そこから30年以上、ラグビー界は新たなアイコンを持っていないということか……。

 ここで受講者から、質問が飛んだ。

受講者 ラグビーゴールの大きさや、楕円形のボールを蹴る難しさを知ってもらうための遊具を、通りに設置したりとか、そういうことは考えられますか。

池田 そういうことだと思うんですよ。そういうことを連続してやっていけるかどうか。どれだけ一般の人と接点を増やしていけるかどうか。例えば、野球にはスポーツ新聞があって日々、一般の人は様々な種類の情報に触れることができる。ラグビー報道の少なさにしてもメディア側の問題ではなく、伝えたいかどうかだと思うんですよ。

岩渕 そこは池田さんにバサっと言ってもらわないと(笑)。

池田 言っているんですけどね……。このままじゃヤバイですよって(笑)。結局は一般の人たちをラグビーにどうやって誘うか。そうなると人間力、アイデア力、面白いものを作れる人材がいるかどうかです。もちろん今いる人たちも素晴らしいんですが、理事会に出ても僕と岩渕さんだけすごく若い。年配の人ばかりで「これ発言しても意味ないな」と思うことも正直あります(笑)。僕もどう進めればいいのか……本当に悩ましい組織ですね。

 エディー・ジョーンズと代表選手たちだけでなく、携わる1人、1人が自分の中で小さな奇跡を起こす。ラグビーの幸せな日常をつくるためには勝つこと以外にも、重要な課題が横たわっているようだ。

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