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鳥谷敬の実像は早大時代から不変。
いつもいる、というのは尊いことだ。 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byKyodo News

posted2017/09/11 17:00

鳥谷敬の実像は早大時代から不変。いつもいる、というのは尊いことだ。<Number Web> photograph by Kyodo News

2000本安打を達成した鳥谷。今季は“同窓”の青木も日米通算2000本安打を達成している。

田中、青木らと超豪華だった「才能集団」。

 スターティングメンバーは今でも覚えている。

 鳥谷敬はいつも3番を打っていた。

 先頭がセカンド・田中浩康(現・DeNA)で2番にセンター・青木宣親(現・メッツ)が続くのだから、そのすさまじさは想像がつくだろう。リーグ戦を見に行くのが楽しみだった。

 鳥谷敬をはさんで、4番のサード・比嘉寿光(元・広島)は沖縄尚学高で全国制覇を果たし、早稲田でも主将を務めていた。鳥谷より2年下の武内晋一(現・ヤクルト)が5番・ファーストで、6番にライト・由田慎太郎だ。「走者一掃の慎太郎」と呼ばれた勝負強いバッティングでオリックスに進み、今は東海・北陸地区担当スカウトとして、いつも忙しそうにしている。

 ……と、ここまでがまずプロへ進んだ。

 さらに、左腕・宮本賢(元・日本ハム)、右腕・越智大祐(元・巨人)。2人の快腕たちもプロに進んで、とにかく見ていて飽きない、学生野球のチームにしては珍しいほどの“多士済々”の顔ぶれを揃えた「才能集団」だった。

とにかく「いつも出ている」から、貴い。

 学生当時の鳥谷敬をひと言で表わすと、「ミスター・コンスタント」。

 見に行くたびに、いつも、いとも簡単にヒットを放ち、なっかなかエラーをしない。アッと驚くスーパーキャッチもしない代わりに、捕球体勢に入った打球はまず間違いなく一塁で刺してくれる。

 入学と同時に、まず“二塁手”としてレギュラーの座を獲得して、2年春にはもう「三冠王」。ベストナインに5回推されて、首位打者2回は逆に「えっ、そんなもんなの?」と意外に感じるほどの実力者だから、早稲田の4年間で96試合に出場しているのは不思議じゃないが、とにかく「いつも出ている」、そんなコンスタントさも後になってから感じたものだ。

 いつも、出ている。

 まさに、「阪神・鳥谷敬」の実像がそうだろう。

【次ページ】 顔面死球を浴びても翌日には出場する強靭さ。

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