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アギーレ前監督が語るハリル体制。
「W杯出場権獲得は当然だろうね」 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byToru Morimoto

posted2017/08/30 07:00

アギーレ前監督が語るハリル体制。「W杯出場権獲得は当然だろうね」<Number Web> photograph by Toru Morimoto

柴崎や武藤らを抜擢したアギーレ氏。現在の日本代表についても高いクオリティーを持つとの評価を下している。

私の目についた選手を何人か挙げると……。

 何人か目に付いた選手をあげていこうと思う。まずは川島だ。特にUAE戦のパフォーマンスは素晴らしかった。彼が決定機を止めたプレーが、試合を決めたと言っていい。所属クラブがない時期もあり、苦しい時期も過ごしたそうだが、プレーレベルはまったく落ちていないし、最後尾での存在感は際立っていた。欧州という舞台、それもフランスという主要リーグで日本人のゴールキーパーがプレーしているというのは、驚異的なことだ。あの環境で得られる経験は、日本とは比べ物にならない。ゴールマウスは今後も彼に任せるべきだと思う。

麻也はすでに世界レベルだし、昌子や植田もいる。

 吉田麻也の存在感も圧巻だった。今季のプレミアリーグでのプレーは素晴らしいのひと言だった。私が率いていた頃より、さらにひと回り成長している感がある。ハリルホジッチ監督は彼を軸に守備を構築しているが、完全に同意できる。中盤の長谷部も含め、川島、吉田と守備の縦軸がしっかり固まっているのは日本の強みだろう。欧州では一般的に、日本には優れたセンターバックがいない、と言われる。理由とされるのは大抵、日本人は体格的に不利で向いていない、というものだ。

 しかし私はそうは思わない。プレミアでプレーしている吉田はすでに世界レベルの選手だし、アンカーとしても使える森重、そして昌子と植田という若手もいる。この若手ふたりは伸びしろだらけだし、一刻も早く欧州に飛び出すべきだ。鈴木大輔もスペインという環境でやれているし、CBは質も量も十分だと思う。ワールドカップでまず問われるのは、堅い守備力。これがなければ、先に勝ち進むことなどできない。その意味では、守備陣のパフォーマンスが鍵になると思う。

 中盤では、やはり右サイドの久保が目立った。躍動感があるし、広く動き続けながらエリア内でも仕事ができる。今、まさに選手として伸びている。あのポジションは長年本田がやっていたわけだが、監督は思い切って久保を使い、それが機能した。ここ数試合で日本の得点源になっているし、これは素晴らしい判断だったと思う。

【次ページ】 今も私は、本田を欠かせない選手だと考えている。

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