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新生なでしこ、米国で1勝もできず……。
あの猶本光が悔し涙に震えた日。 

text by

日々野真理

日々野真理Mari Hibino

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posted2017/08/10 17:00

新生なでしこ、米国で1勝もできず……。あの猶本光が悔し涙に震えた日。<Number Web> photograph by AFLO

なでしこらしいパスワークには、中盤のクオリティーが必須。その候補者である猶本は今回の悔しさから何を学ぶか。

「下を向いて腐っていたら時間がもったいないです」

 しかし、スタメン出場したオーストラリア戦では、前半のみで交代となってしまった。

「できたこともあったけれど、もっとできるはずのところを、どこかちょっと相手に遠慮してしまったところもあったかもしれない。もっと守備から……」

 試合後のミックスゾーンで、冷静に試合を振り返っているうちに、悔しさに涙をこらえることができなくなってしまった。

 涙を流した翌日のトレーニングでのこと。

 現実に向き合って、貴重な代表での時間を全力で励もうとする猶本の姿があった。

「球際、スピード、すべてあのレベルの相手に普通にできるようになること。その先に代表定着があると思います。アメリカ戦には出るチャンスはないかもしれないけれど、大会期間の残り日数を全力で取り組みます。悔しいけれど、これまでもそういう思いをして成長してきました。その先の成長した自分に出会えることを楽しみに前向きにがんばります。このままで絶対に終わらない。もっともっと成長できるし、下を向いて腐っていたら時間がもったいないです。前を向いて、必ずまた戦える自分になってみせます」

 悔しい思いのぶん、更になでしこジャパンへの思いの強さが増した。必ずこの思いが報われる日が来るだろう。

「待っていてください」

 こう目を輝かせて言った、彼女の決意を信じたい。

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