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甲子園での勝利数を番付にすると。
PLの休部で西の勢力図に一大変化が。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2017/08/06 09:00

甲子園での勝利数を番付にすると。PLの休部で西の勢力図に一大変化が。<Number Web> photograph by Kou Hiroo

PL学園の休部は、西の番付を1つずつ繰り上げる効果があった。直近のパワーバランスと並びが違うのが、伝統の重みというものだろうか。

PLは親方ということで、番付から外したら……。

 結論として、PL学園は引退して「PL親方」になるとし、番付から外した。このため、西方の番付は大きく変わった。三役の顔ぶれがガラッと変わったのだ。

 今年の番付を説明しよう。学校名に色がついているのは今夏の甲子園出場校。

 西方、新大関に愛媛の松山商、新関脇に奈良の天理、新小結に広島の広陵。西方は以下もそれぞれ繰り上がった。

 そんな中、今春全国優勝した大阪の大阪桐蔭は、昨年の十両筆頭から前頭7枚目にジャンプアップ。PL学園引退の年に、大阪の新たな実力者が新入幕である。

 西方の現在の幕内では天理、広陵、智弁和歌山、明徳義塾、大阪桐蔭が今夏の甲子園に出場している。

 東方では不動の大横綱、133勝の愛知の中京大中京がこの夏も出場。

 前頭筆頭の神奈川の横浜、4枚目の宮城の仙台育英、9枚目の古豪長野、松商学園に加え、昨夏の甲子園優勝で、これも十両筆頭から新入幕した栃木、作新学院も今夏出場を決めている。

高校野球は西高東低なうえに、東は勝ち星が集中。

 十両、幕下を見ていこう。

 お気づきのことと思うが、西と東では勝ち星が違う。高校野球の西高東低を反映しているが、同時に東は133勝の中京大中京など一部の強豪校に勝ち星が集中しているが、西は同じような力量の強豪校がひしめいているため、勝ち星が多いともいえる。古豪、新興が入り乱れている。

 東では、2007年から11年連続で夏の甲子園に進出している福島、聖光学院が幕下に昇進。

 西ではPLが抜けた繰り上がりで兵庫の育英が新十両、また今夏最初に甲子園出場を決めた沖縄の興南が幕下昇進。

 三段目以下の番付も紹介しておこう。

<東方> 数字は甲子園勝利数と優勝回数 ※は今夏甲子園出場

関東一(東京) 19勝 優勝0回
慶應(神奈川) 18勝 優勝1回
秋田商(秋田) 18勝 優勝0回
享栄(愛知) 18勝 優勝0回
愛知商(愛知) 17勝 優勝1回
桐生第一(群馬) 17勝 優勝1回
駒大苫小牧(北海道) 16勝 優勝2回
桐蔭学園(神奈川) 16勝 優勝1回
常葉菊川(静岡) 16勝 優勝1回
金沢(石川) 15勝 優勝0回
日大山形(山形) 15勝 優勝0回 ※
前橋工(群馬) 15勝 優勝0回
花巻東(岩手) 14勝 優勝0回
文星芸大付(栃木) 14勝 優勝0回
水戸商(茨城) 14勝 優勝0回
宇都宮工(栃木) 12勝 優勝0回
東海大静岡翔洋(静岡) 12勝 優勝0回
大垣日大(岐阜) 12勝   優勝0回 ※    
木更津総合(千葉) 12勝 優勝0回 ※
桜美林(東京) 11勝 優勝1回
青森山田(青森) 11勝 優勝0回 ※

<西方>

市神港(兵庫) 22勝 優勝2回
上宮(大阪) 22勝 優勝1回
関西(岡山) 22勝 優勝0回
向陽(和歌山) 21勝 優勝2回
沖縄尚学(沖縄) 21勝 優勝2回
明石(兵庫) 21勝 優勝0回
沖縄水産(沖縄) 21勝 優勝0回
京都外大西(京都) 19勝 優勝0回
佐賀商(佐賀) 17勝 優勝1回
岡山東商(岡山) 17勝 優勝1回
滝川(兵庫) 17勝 優勝0回
尽誠学園(香川) 17勝 優勝0回
関大北陽(大阪) 17勝 優勝0回
柳井(山口) 16勝 優勝1回
濟々黌(熊本) 16勝 優勝1回
芦屋(兵庫) 16勝 優勝1回
履正社(大阪) 16勝 優勝0回
海南(和歌山) 16勝 優勝0回
大分商(大分) 16勝 優勝0回
米子東(鳥取) 16勝 優勝0回
鳴門渦潮(徳島) 16勝 優勝0回 ※

 

【次ページ】 甲子園で春夏連覇しても、1年で11勝しかできない。

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