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ダルビッシュと新天地ドジャース。
どうしても必要だった「最終兵器」。

posted2017/08/05 07:00

 
ダルビッシュと新天地ドジャース。どうしても必要だった「最終兵器」。<Number Web> photograph by AFLO

ドジャースに合流したダルビッシュ。首脳陣との会話では笑顔を見せるなど、早くもチームに馴染みつつある。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 サマートレードのデッドラインぎりぎりで、ダルビッシュ有の移籍が決まった。インターネットに第一報の流れたのが、7月31日午後4時10分(米国東部時間)過ぎだから、文字どおりブザービーターだ。4時直前に、レンジャーズとドジャースとの間で交渉が成立したのだった。

 少し前の3時45分、ドジャースはトニー・ワトソン(パイレーツ)とトニー・シングラーニ(レッズ)の獲得を発表した。どちらも左腕のリリーバーだ。ブルペンの左投手が手薄だったから、これは予想どおりの補強だ。

 さらにその少し前(3時5分)には、ヤンキースがソニー・グレイ(アスレティックス)の獲得を発表していた。グレイは、ダルビッシュと並んで今年の移籍市場の目玉だった。この瞬間、ダルビッシュのヤンキース移籍という線は消えた。あとは、ドジャースへの移籍が成立するかどうかだ。

「ダルビッシュをレンタルする」意識が働いた?

 2017年シーズン終了後、ダルビッシュはFA権を獲得する。つまり、いま他球団へ移ったとしても、来季以降の契約がどうなるかはわからない。7月31日の時点で2位に14ゲーム差をつけ、地区優勝をほぼ手中に収めているドジャースにしてみれば、ポストシーズンのためだけに「ダルビッシュをレンタルする」という意識が働いてもおかしくはない。そのためには、どれだけの交換要員を用意できるか。交渉が長引いたのは、微妙な状況のせいだろう。

 結論からいうと、ドジャースは3人の有望若手選手をレンジャーズに譲渡した。二塁手兼外野手のウィリー・カルフーン、右腕投手のA.J.アレクシー、内野手のブレンドン・デイヴィス。

 チームのプロスペクト順位(期待度のランク)でいうと、カルフーンが4位で、他は15位以下の選手である。1位のアレックス・ヴァーデュゴ(外野手)、2位のウォーカー・ビューラー(投手)、3位のヤディエル・アルバレス(投手)は残留した。彼らをプロテクトできたのは、賢明な商談の成果だ。

【次ページ】 マエケンらは投球回数が100イニングスに達してない。

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