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元キマグレン、2戦2敗のボクサー人生。
クレイ勇輝「あんな瞬間、人生で……」 

text by

宮田文久

宮田文久Fumihisa Miyata

PROFILE

photograph byIchisei Hiramatsu

posted2017/08/07 08:00

元キマグレン、2戦2敗のボクサー人生。クレイ勇輝「あんな瞬間、人生で……」<Number Web> photograph by Ichisei Hiramatsu

現役生活を嬉しそうに振り返るクレイ勇輝。たとえボクシングに愛されなくても、ボクシングを愛していることが手に取るように分かった。

シニア向けのアマチュアの大会に出るかも。

 彼の職業や、それを取り巻く装飾的な言葉を剥ぎ取った先にある、「人ひとりがプロボクサーとして後楽園のリングに上がること」の意味が、彼のコメントからは見えてくる。プロとして命を賭ける人々に対するリスペクトと、そうした選手たちがしのぎを削る世界にわずかな期間でも身を投じた矜持、そして勝利へ届かなかった力量に対する、さっぱりとした自己認識。だからこそ冒頭の台詞が、また異なった趣で響いてくるのだ。

「軽はずみで、みんなもやってみませんか、とはやっぱり言えません。でも本当に素敵だったし、僕はこのボクシングの世界に魅せられた人なんです。今回の試合後に、ジムの会長に『もっと早くボクシングと出会いたかった』と漏らしたぐらい(笑)」

 そんな彼は、場こそ違えど、またリングに戻ってくることがあるかもしれないという。ボクシングの魅力は、人を捉えて離さないのだ――。

「リング上で出会えたものは、想像以上に大きかった。またやりたいな、とは思いました。シニア向けのアマチュアの大会に今後出ることは、あるかもしれませんね。人生で一回は、オーソドックススタイルの人とちゃんと試合をしてみたいですし!(笑)」

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