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MotoGPの今季前半戦総まとめ。
優勝者続出で空前のカオス状態に! 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2017/07/23 08:00

MotoGPの今季前半戦総まとめ。優勝者続出で空前のカオス状態に!<Number Web> photograph by Satoshi Endo

今季前半戦最後の第9戦ドイツGP開幕前の会見にて。左からフォルガー、ロッシ、ビニャーレス、ドビツィオーゾ、マルケス、ペトルッチ。

史上最低ポイントでの年間王者が誕生か?

 シーズン18戦が定着してから、シリーズチャンピオン獲得のひとつの目安として、どんなに悪くても300点以上という数字がある。

 大混戦となった昨年は、チャンピオンになったマルケスの獲得ポイントは298点。この数字は、過去10年を振り返っても相当に低い数字だが、今年はシーズンの半分となる9戦を終えて129点。このままの乱戦が続けば、近年では見たことがない低いポイントでのチャンピオン誕生となりそうだ。

 その特徴のひとつが、ランキング上位につけるライバル同士の直接対決がほとんどないこと。

 ポイント上では大接戦、大混戦となっているが、コース上でのバトルはほとんどないのである。

 そのときどきのレースで、タイヤのパフォーマンスをうまく発揮できた選手が優勝し、表彰台に立っているという、不安定なレースが続いているからだ。

レースが混沌とし過ぎて、逆に仲良くなったライダー達。

 今年の大会前日のプレスカンファレンスは、どこか和気藹々としている。

 シーズン前半戦の締めくくりとなる第9戦ドイツGPの恒例の会見でも、終始、和やかな空気が流れた。'15年まで続いたブリヂストン1社供給時代のように、タイトルを争うライバルがはっきりと見えてこないことが、この「和気藹々」の原因だ。

 今回はだれが相手になるのか――ましてや、自分が優勝争いに加われるのかどうかということも皆目見当がつかないし、ライダーたちも異口同音に「今回はどうなるんだろう。やってみないとわからない」とコメントすることになり、その結果、自然とリラックスした会見になってしまうのだ。

【次ページ】 MotoGPから7年間も離れていたブランク。

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